INDEX          10 11 12

あいさつ長い…音萌のプログラムは読むところがいっぱい。
<曲目紹介>
▼アダージョ                       (バーバー 作曲)
 ごくゆっくりとしたテンポで始まり、何かをしきりに嘆いているような旋律がやがて激しく盛り上がり、また悲しみの彼方へ消えて行きます。『アダージョ』とは原曲に付けられた速度記号に過ぎませんが、その感情の深さによって次第に有名になり、現在では単にバーバーのアダージョという場合にはこの曲を指します。欧米でも日本でも誰か著名人が亡くなった場合、或いは大きな災害、例えばアメリカの同時多発テロの後の慰霊祭等で演奏されています。

▼ラコッツィ行進曲                  (ベルリオーズ作曲)
 原曲の劇的物語はゲーテの代表作『ファウスト』に基づき、管弦楽に声楽と合唱が加わる大作です。作品中『ラコッツイ行進曲(ハンガリー行進曲)』と『妖精の踊り』そして『鬼火のメヌエット』が特に有名で、しばしば独立して演奏されます。この曲はハンガリーの丘の上に佇むファウストの耳に聞こえて来た行進曲(兵隊の行進)を音楽に表現したものです。実はゲーテの『ファウスト』にこんな場面はありませんが、ベルリオーズはハンガリー楽旅中に採り上げて喝采を浴びた行進曲をどうしても使いたくなり『ファウストの劫罰』の冒頭の設定を、強引にドイツからハンガリーに変更したと言われています。

▼パリの喜び          (オッフェンバック作曲/ロザンタール編曲)
ジャック・オッフェンバックは19世紀に活躍した作曲家であり、チェリストです。1819年にドイツのケルンで生まれましたが、1848年に《三月革命》の混乱を避けるためにフランスへ向かい、終生をパリで過ごしました。彼はオペレッタの原型を作ったと言われ、音楽と喜劇の融合を果たした作曲家として知られます。
 このバレエ音楽『パリの喜び』はマニュエル・ロザンタールが、オッフェンバックの代表作から選りすぐったメロディをまとめたものです。賑やかなパリの町並みを思わせる序曲で始まり、最後は誰もが心躍らせる『カン・カン』で締め括られますが、どこまでも明るく華麗でありながら、不意に哀愁を帯びた表情を感じさせるのは、2つの祖国を持つ彼ならではしょうか。









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