INDEX         
第2部は四国大会の出場を勝ち取った現役の演奏です。
2nd Stage 賛助出演:松山東高等学校吹奏楽部 指揮:長谷川公彦先生


<指揮者紹介>
●長谷川公彦先生

誰もを魅了する音色でユーフォニアムやトロンボーンなど多くの楽器を奏でる長谷川先生。松山東高校に赴任されてから3年が経ちました。この3年で私たちは数多くのことを教わり、この吹奏楽部は大きく成長出来たと思います。長谷川先生は、理論に基づいた譜面の読み方や表現の仕方など、どの楽曲・どの場面においても通用する知識をいつもご指導下さります。スポーツや学問とは違った『芸術』というもののすばらしさ、奥深さを改めて感じることが出来ました。また、音楽に関する知識だけではなく、私たちの将来にも繋がる、人としての礼儀も教わりました。
長谷川先生の合奏はとても面白い上に分かりやすく、合奏の前後では音が格段に変化し、音楽を作り上げられているのを味わうことが出来ます。合間に入る雑談は、クスッと笑えるものや感嘆の声が上がるものなど多岐に渡りますが、そのどれもが音楽に繋がるものであり、私たちの想像力や表現力を高めて下さります。
まだまだ書き足りませんが一言でまとめると、長谷川先生は、圧倒的な知識による丁寧なご指導に加え、私たちの心をつかむ面白さも兼ね備えた素晴らしい先生です。
(3年生一宮早希)!


<曲紹介>
▼2022年度全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ
「ジェネシス」 (鈴木 英史 作曲)

課題曲Ⅲ『ジェネシス』の作曲者、鈴木英史氏と15年以上の交友があり、別の話題でやりとりしていたメールの中で、「次年度の課題曲を書く」ことをキャッチ。その時点で、東高が選ぶのはこの作品と決めていました。
実際に楽譜が届いて、たくさんの仕掛けがあるスコアをアナリーゼしていくと、一筋縄ではいかない複雑さ、バランスを失うと壊れそうな繊細さ、多様な表現を可能にする和声やオーケストレーションだということが少しずつわかってきます。参考演奏は今回、一度も聴いていません。しっかり読み込むことが求められているようで、プロや音大生の演奏を聴いてそれをなぞることは避けたかったのです。
 和声の色彩感、そのための内声の扱い、ダル・セーニョしたときのニュアンスの変化、フレーズの捉え方やアーティキュレーションの処理など、まだまだこれからですが、磨き上げていこうと部員たちも張り切っています。

▼自由曲 組曲「薔薇の騎士」(リヒャルト・シュトラウス 作曲/仲田 守 編曲)
かつて在籍したアンサンブルの先輩で、尊敬する名手がリサイタルにリヒャルト・シュトラウスの歌曲を取り上げたことがあります。30年以上も前ですが、とても美しい演奏であったこと今も覚えています。歌詞を伴わずに歌曲に挑戦することの意義、そのことで学ぶことの多さに気付かされ、それ以来、ユーフォニアムのレパートリーとして何曲か取り組んできました。
吹奏楽ではF.フェネル氏がTKWOと収録した『万霊節』の名演が残っています。
歌劇においても数々の名作を書いたシュトラウスですが、この難しいけれど文句なしの名曲『薔薇の騎士』を、いつかは演奏してみたいと想い描いていましたが、まさか東高で赴任3年目に演奏することになるとは・・・・。
楽譜を配ったときには、音の数の多さ、必要な技巧の高さに当惑の声が聞こえてきました。別の曲を提示してみましたが、やるのならこの「ばらきし」に挑んでみたいと現3年生たちが決めました。
管弦楽であれば、弦楽器と山台に載る管楽器は音の飛び方、響き方が全く違うので、スコアに書かれたいくつもの音の層が見えるように演奏されるのですが、吹奏楽はそこが難しいところです。 (長谷川公彦教諭) 



 


ホームへの非常口