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変人の作り方

(現役二年・ユーフォニアム)増田 七恵


 私は、今年のネモの演奏会の3部で、指揮をさせていただくこととなりました。現役の高校生だし、全くと言っていいほど経験もありません。それなのに一体なぜ!?と思われている方は多いと思います。なので、今回はこのような変人がどのように出来上がってしまったかについて書きたいと思います!
 @ 黒い箱事件
 今年の二月、ちょうど第4回定期考査ごろの出来事です。井手さんが、「英雄の生涯」のCDを3〜4枚と、その他諸々(ショパンやガーシュインなど、色々なジャンル)のCDを20枚ほど持って来られ、私たち吹奏楽部に貸して下さりました。
 そこで私が借りたショパンのピアノ協奏曲(第一番)のCDにズボズボとはまってしまい、しばらくそればっかりを聴いていました。いわゆる中毒状態です。朝起きて着替える間にショパン、休み時間もショパン(歌っていました)、家へ帰って勉強の合間にショパン…。とにかく、ショパンのピアノコンチェルト!
 そして、その熱がやっとおさまった時…また、取りつかれたかのように自分の頭から離れない曲を聴いてみたい、きっと、どこかにあるはずだ、とひたすらにクラシックCDを聴く自分がいたのです。ここまで来れば、立派な変人の完成です★
 A 「英雄の生涯」ショック
 そんなこんなで、色々なCDを聴くようになりました。リストやラフマニノフのピアノコンチェルトは、大好きです。バレエ音楽なら、「くるみ割り人形」だってとても綺麗です。今年B部門で演奏する「ばらの騎士」も劇的に美しい音楽です。それぞれに美しい旋律が存在して、それが頭から離れなくなります。
 また同時に、「ここはこう演奏してほしい」という欲求が生まれて来ました。いわゆるこだわりです。最初にそれに気付いたのは、「英雄の生涯」を聴いていた時でした。「英雄の妻」の中のバイオリンソロで、解釈が明らかに違う二つの演奏がありました。私個人の感想としては、「これはいい!」というのと「これはいかんって!!」という二つに分かれました。
 同じ曲でも、指揮者や団体によってこれほどにも表情が変わるのか…。と、小さなショックを受けることとなったのです。その後も「英雄の生涯」は色々な演奏を聴いてみましたが、二つとして同じ演奏はありません。「引退と完成」の部分で、聴衆の涙を誘うほど見事に歌い上げる演奏もあれば、「英雄の戦場」の部分のバランスが絶妙ですごい!と思った演奏もありました。
 そうしているうちに、いつか自分も、自分の手でこんな風な音楽が作りたいなぁ…と漠然とした夢が浮かびました。
 B 格言「人生の80%は勢い」
 その後、ふとした瞬間に「指揮がしたい」とつぶやいてしまい、いつのまにか現実のものとなっていました。正直、将来また指揮をさせてもらう機会があるかどうかは分かりません。来年は受験生です。さすがに勉強しなくてはなりません。せっかくこんなチャンスがあるのだから、今年は自分のやりたいことを精一杯やってみようと思っています♪
 今になって言えることですが、すみません。まさかこんなにも大事になるとは思っていませんでした(笑)。でも、やる気と音楽に対する気持ちだけは誰にも負けません!!とにかく全力を尽くします!!
 ということで、拙い文章でしたが読んで下さりありがとうございました。今年の夏は、コンクールに出る人間として、また指揮者として悔いのないように過ごします。応援よろしくお願い致します★☆★






  

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