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一期一音

H26年卒 宮崎瑞穂

 音楽は私達の身の回りに溢れている。スーパーでもコンビニでもカフェでも服屋でも、さらにはゴミ収集の車でも、何らかの音楽が流れている。一日外に出ない限り、音楽を聞かない一日を送ることはないだろうと思う。音楽の効能とは何だろうか。私は専門家でもなんでもないので偉そうに言うことは出来ないが、音楽には三つの効能があると言われている。@ストレスの軽減、解消、A意欲向上、活力増幅、B集中力アップ、以上の三つである(メールサービスより引用)。
 私たちの中にも大いに共感できる人はたくさんいるのではないだろうか。私自身も心身の披露を感じたときは必ず音楽を聴いている。また、勉強中集中力の欠如を感じた時には音楽を心に取り入れる。そんな時、勉強の内容もすっと入ってくるようになる。
高校時代は音楽のために疲れることもあった。しかしその疲れもまた音楽で癒されていたため、結果として部活をやり遂げた時に私に残っていたのは充実感だった。しかし、その充実感を高校三年間で何かしら自分たちの音楽に触れて頂いた人(定期演奏会やコンクールで演奏を耳にした人)と共有できたかと言うと甚だ疑わしい。何故かというと、自分が当事者として演奏している時は周りを気にする余裕がどうしても欠落してしまうからである。
引退して第三者としてこうして客観的に東高吹奏楽部を見つめられる立場になって強く重要だと思うことは常に聴衆を意識することである。コンクールを間近に控えた現役のみなさんには改めて意識して欲しいと思う。
 また同時に聴衆に対して思うことは当事者になって演奏を聞くことの面白さである。私は今音楽と少し離れたところで生活しており、ホールなどで音楽を聞く機会はめっきり減ってしまった。しかし今でも、インターネットで高校生の演奏やプロの演奏をよく聞いている。その時現役で演奏している時とは違った聞き方をしている自分に気付く。それは、現役の時は技術を盗もうとか、ここは悪いななどひねた聞き方しかしていなかったのに対し、今は心から音楽を聞くことが出来るようになった。心からというのは実際に自分がそのバンドの中で演奏しているという気持ちになって聞くということである。個人的な見解であるが、やはり音楽の真の楽しさは自分が演奏しているときに味わえるものだと思う。よってただ聞いて楽しむのではなく、実際に自分が入っていると想像して聞くと感動もまたひと味違ったものになるであろう。
 音楽は聞く側も演奏する側もこころを動かす力を持つ。一期一会ならぬ一期一音を大切にし、音楽人生を歩みたいものである。




  

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