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3rd STAGE                        指揮:井手 浩一(47年卒)

▼指揮者紹介▼

『音萌の会合宿殺人事件』
〜解決編〜
「こんな真夏に凍死か・・・」
「エアコンの温度設定がムチャクチャ低かったんよ。寝込んでたところをヤられたみたいやね。」
現場をそのままにして、再び一同は食堂に戻ってきた。重苦しい空気の中、思い出したかのように発言したのは宮内だった。
「そういや夕べ夜中になんか聞こえたよね。おっきい音で。」
「ああ、音楽。なんかジャーンでズーンなドイツっぽい・・・」
相変わらず大元は曲を知らない。尾崎はつい知識を披露してしまった。
「ブラームスの4番。(ウンチク続く)」
そのとき全員の視線が自分に集中していることに気付いた。
「尾崎さん、なんでそんなことまで分かるんですか?」
「そういや現場に解説書転がっとったね。私らはチラッとしか見てないけど。」
「あの散らばってた楽譜。今度の1部の曲よねえ。スコアってことは指揮者・・・。」
尾崎は自分が疑われていることを知った。冗談じゃない。解説書なんか見なくてもそれくらい常識だと、説明してももはや誰も信じようとしなかった。みんなはもう尾崎を犯人と決めつけ、動機はCD収集のライバル意識だとか、46万のオーディオケーブルをねらったとか勝手な憶測をしている。身の潔白を証明しようにも誰も話を聞こうとしない。「犯人はこの中にいる!」とか「謎はすべて解けた」とか「ジッチャンの名にかけて」などと、好きなことを言って盛り上がっている。

 尾崎が途方に暮れて、頭を抱えたときいつの間に着替えたのか、書生風の着物にヨレヨレの帽子をかぶった大元があらわれた。
「問題は低金利・・・もとい何故被害者はエアコンによって凍らされていたかです。」
と頭をボリボリと掻く。
「き、金田一耕助・・・?」
「死人は何も語らない。しかし目撃者のいないこの事件の真相を語るのは…そう唯一の当事者です。
 ではお呼びしましょう、この真夏の凍死事件の証言者を!」
金田一・大元が大げさな身振りで後方を指さす。そこに立っていたのはなんと死んだはずの井手その人であった。サスペンス転じて怪談かと思ったが、井手は顔色もよくちゃんと足も付いている。どう見ても生きている。固まる一同をよそに井手は陽気に手を振った。
「いや〜、スマン、スマン。ご心配おかけしました。」
「おーもっちゃん、何やったん?」
一同驚愕の表情で大元に詰め寄る。
「ン?暖房入れたら3分くらいで元に戻ったよ。」

一同脱力の中、井手による説明が始まった。
「昨日尾崎に自慢しちゃろと思ってCD聞きよったら、暑かったやろ。それでついついエアコンの温度
 下げよったら、そのまま寝てしもて。」
「冬眠ですか。」
「だからいつも言ってるでしょ。エアコンの設定温度は外気温から-2度くらいが丁度いいって。」
「冷房は24度以下からよ。」と井手。
「やけんって18度とかはやりすぎですよ。」と宮内のツッコミの後、ポツリと大元が言った。
「エアコン・・・エアを冷たくしすぎるコンダクター。」
そのギャグのあまりの寒さに全員凍死状態になったのは言うまでもない。

                                      


☆☆こんな「敬称略」どころか、凄惨でブラックなネタの掲載を快く許可してくださった両指揮者に
  感謝します。なお井手さんの名誉のためにも最低室温記録は実際に18度であったことをお断りし
  ておきます。☆☆ 




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