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下記の文章は編集した尾崎さんによってなるべくソフトな表現に直されたものです…。



<第3部>

指揮者紹介

井手 浩一

 井手浩一君とは高校入学以来のつきあいであるからもう33年にもなるが、いざ彼の紹介文を書けといわれると少々困ってしまう。あまりにも知りすぎていて、どれが彼の特徴であるのかわかりにくいのである。
 そこで、私の知る範囲での彼の長所・短所を列挙してみることにした。

 まず長所は、

1.何でも好き嫌いなく飲み食いできる。(彼が唯一食えないものは、干葡萄である。だから彼にプレ
  ゼントしようと思っている女性方、レーズン入りのお菓子は避けましょう。)

2. 困難な局面に遭遇しても、創意と工夫で乗り切ろうと努力する。(学生時代、洗濯嫌いだった彼
   は一枚のパンツを前後・裏返しにはいて一週間もたせることに成功した。)

3.女性に親切である。(特に年齢が若ければ若いほど親切度が増すようで、そのことでときに周囲か
  ら「ロリコン」・「女子高生好き」と非難されるのは、私としては遺憾である。彼は純粋に親切な
  だけなのだ。)

4.音楽の研究を怠らない。(少しでも生の音に近づけたいということで、自宅のリスニング・ルーム
  にウン十万円の電線(ごく一部のディープなマニアの間ではオーディオ・ケーブルなどと称するら
  しいが)をはじめとする豪華なオーディオ装置を設え、自分でも把握しきれないほどの大量のCD
  を買い集めている。時に、既に所有していることを忘れて同じものをもう一度買ってしまうことも
  あるらしく、そうした時には余った分を後輩の女性にプレゼントするなど、コミュニケーションの
  強化に余念がない。)

 次に短所はというと、

1. 数学ができない。(高校時代はほとんど赤点すれすれで、あんなものは人間のやるもんじゃない
  とほざいておった彼が、いまや税理士とは!)

2. 経済観念が希薄である。(学生時代の彼は、仕送りがくるや否やレコード屋へ突進し、仕送りの
  ほとんどを使い果たし、残った月の大半を貧乏して暮らすのが常であった。そんな彼が、いまや税
  理士とは!)

3. 惚れっぽい。(若いころは友達同士でよく女性の話をしたが、井手君の女性の好みは一定せず、
  よく友人から「おまえは女なら何でもええんか。」と言われていた。因みに彼の好みは、浅田美
  代子・原田知世で、原田知世主演の映画『時をかける少女』は確か13回観たはずである。)

以上思いつくままに挙げてみた。しかし、彼の身上はなんと言ってもその驚異的

な粘り強さだと思う。学生時代のほとんど致命的な大怪我から奇跡的に回復したばかりでなく、職業的にもまた社会活動の面でも、怪我によるハンディを微塵も感じさせないのは立派というしかない。
 あとは、家庭的に落ち着いてくれれば言うことはないのだが。





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