第3部曲目紹介 1 朝鮮民謡の主題による変奏曲 (J.B.チャンス) 作曲者のJ.B.チャンスが、朝鮮戦争に従軍した折に各地で耳にした「アリラン」の旋律に魅了され、後にこの主題をもとにさまざまなリズム処理を加えてユニークな変奏曲を書き上げました。殊に終結部ではテンポの異なる2群のアリランのメロディーが重なり合い、感動的に曲を閉じます。
1960年作曲。原曲は日本民謡、わらべうたをモチーフにしたメロディックで、ダイナミックなサウンドが特徴の管弦楽曲(題名からして「管弦楽のためのラプソディ」だ)です。太鼓や鉦など各種和打楽器の音、中間部で馬子歌を吹くフルートの音が日本人としての心に琴線に触れることでしょう(と思うのだが)。この曲は昔、(今もそうなのかな?)日本のオーケストラが海外公演をする際のアンコールの定番でした。というのも、この曲自体が、NHK交響楽団のはじめての海外演奏旅行(ヨーロッパ)に際してアンコール用に作曲され(外山はこの楽旅の指揮者のひとり)、各地で大ウケだったから。 3 歌劇「リエンツィ」序曲 (R.ワーグナー/D.パターソン 編曲) R.ワーグナーが1840年に完成したグランド・オペラ「リエンツィ、最後の護民官」は14世紀中頃のローマを舞台にした全5幕、演奏時間なんと6時間余という巨大なオペラです。もっとも、ワーグナー自身は好きでなかったそうですが。その代わり、と言ってはナンですが、ヒトラーが大変好み、ナチスのプロパガンダによく使われたそうです。自らに都合の悪い終結部分は巧妙にカットして。 |