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第3部 曲目紹介

祝典序曲                             ショスタコーヴィチ 作曲
                                     矢野慶三先生 指揮

 1954年の第37回革命記念日のために、旧ソビエトの党中央委員会から委嘱を受けて作曲された曲です。ショスタコーヴィチと言えば『マクベス夫人』『交響曲第5番』などの曲で有名ですが、この『祝典序曲』はあまり知られておらず、実際、オーケストラで演奏されるよりも、吹奏楽用の編曲のほうが圧倒的に演奏回数が多いのではないでしょうか。
 曲は、ゆっくりした3拍子のトランペットのファンファーレで始まります。速い2拍子になると、軽快で速い旋律とゆるやかで美しい旋律が交互に演奏されます。最初のファンファーレが再び力強く現れてクライマックスとなり、最後はもう一度速くなって終わります。

 

「ウィーンの朝・昼・晩」序曲                         スッペ 作曲
                                      森田功先生 指揮

 『軽騎兵』『美しきガラテア』『詩人と農夫』などの作曲家として知られるスッペは、オーストリアのスペラートに生まれました。子供の時からフルートを学び、ウィーンの音楽院を卒業後は、同市の劇場で指揮者兼作曲家として働きました。スッペは初め劇付随音楽を書いていたそうですが、オッフェンバックに刺激を受けて以来、対抗して喜歌劇ばかり書いています。しかし喜歌劇も上演されることはほとんどなく、その序曲しか一般に知られていません。そのためどうしても小振りな作曲家の印象を持ってしまいますが、これらの序曲は軽妙で洒落たものばかりで、どの曲もメロディーの美しさを特徴としています。彼の作品はオペレッタ、バレエ用の音楽など生涯200曲を越し「ウィンナ・オペレッタの父」とたたえられています。
 この曲は25才頃の作品で、まだまだ作曲家としては駆け出しの頃の作品ですが、ファンも多く、数々の演奏会で取り上げられています。

 

序曲「ローマの謝肉祭」                         ベルリオーズ 作曲
                                     中田勝博先生 指揮

 序曲「ローマの謝肉祭」は、歌劇「ベンヴェヌート・チェルリーニ」のうちの一曲として作曲されました。普通、オペラには第1幕の前に大きな序曲があり、幕間には小さな前奏曲を置きますが、ベルリオーズは第2幕の前にも大きな序曲を作りました。オペラ自体はそれほど好評を得ることはありませんでしたが、この第2幕前の大きな序曲は好評を得、後に序曲「ローマの謝肉祭」として単独で演奏されるようになりました。
 まともに楽器1つも弾きこなせない元医学生であったベルリオーズですが、彼の曲には当時まで想像もされなかった音の組合せが使われており、その才能を伺い知ることができます。

     

第1組曲                                    ホルスト 作曲

 ホルストは、 組曲「惑星」で有名なイギリスの作曲家ですが、吹奏楽のオリジナル曲も多数作曲しており、この曲も吹奏楽のコンサートで度々演奏される曲です。
 第一楽章「シャコンヌ」は、8小節からなる主題が、様々なアレンジで何度も繰り返されます。第二楽章「インテルメッツォ」にも不思議な技巧が盛り込まれており、中間部のゆったりしたところ (後半がコルネットのソロになってるところ) は短調となっています。そして後半部は前半部と中間部のメロディが同時に流れるのですが、ここは長調となっており、つまり同じメロディが短調にも長調にもなっています。第三楽章は「マーチ」です。これは、コンサートのアンコールにも多用される軽快な曲です。第一楽章、第二楽章の旋律も登場し、華やかに終曲します。

 

交響詩「ローマの松」よりアッピア街道の松                レスピーギ 作曲

 ローマを心から愛していたレスピーギは、「ローマの噴水」「ローマの松」「ローマの祭」のローマ三部作と呼ばれる3つの交響詩を作曲しています。この「ローマの松」は四部構成となっており『ボルゲーゼ荘の松』『カタコンブ付近の松』『ジャニコロの松』『アッピア街道の松』から構成されていますが、実際の松の木の姿を題材にしたものではなく、ローマの町に何百年も立っている松が見てきたであろう過去のローマを幻想的に表現しています。
 第四部の舞台となっているアッピア街道は、古代ローマ軍の進軍道路でした。ラッパのファンファーレとともに遠くから次第に近づいてくるローマ軍の行進を表現しています。
 イタリアの松は日本のと違って、枝が上の方に密集していてブロッコリーみたいな形に生えているそうす。日本の松を想像していくとちょっと戸惑うかもしれません。





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