第487回
平成20年新居浜小児科医会忘年会・中村 彩先生送別会
(平成20年12月10日、於寿司勝)
平成20年12月10日(水)、新居浜小児科医会忘年会と中村 彩先生送別会が「寿司勝」で開かれました。 出席者は11名でした。(敬称略) (前列左から)松浦章雄、中村 彩、塩田康夫、真鍋豊彦 (中列左から)加藤文徳、後藤振一郎、楠目和代 (後列左から)星加 晃、山本浩一、森谷京子、森谷友造 |
第486回
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平成20年11月12日(水)
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症例提示 | 「HHV6脳炎・脳症が疑われた2例」 | 住友別子病院小児科 | 後藤振一郎 |
話題提供 | 「DVD『ロレンツォのオイルー命の詩』(1992年・米)を観て | マナベ小児科 | 真鍋豊彦 |
1.症例呈示
HHV6脳炎・脳症が疑われた2例
住友別子病院小児科 後藤振一郎
症例1:2歳男児。39℃台の発熱を伴う痙攣重積、意識障害にて発症。抗けいれん剤投与で一旦神経症状はおさまった。解熱後全身に不定形の発疹出現し突発性発疹症(HHV6感染症)と考えた。解熱2日後、無熱性の持続時間3〜4分の群発痙攣が出現した。頭部CT、MRIでは明らかな所見を認めなかったが、脳波で徐波、棘波の混在を認め、HHV6脳炎・脳症と考えた。ステロイドパルス療法、ガンマーグロブリン大量療法、ガンシクロビルなどの投与を行った。その後神経症状の再発は無く、後遺障害も認めていない。
症例2:2ヶ月男児。37〜38℃の発熱を伴う持続時間20〜30秒の全般痙攣出現。その後は痙攣、意識障害はなく、同日中に解熱した。2日後淡い不定形の発疹が出現したがすぐに消失した。髄液検査では有核細胞10/3であった。脳波上、徐波が著明であり脳炎・脳症と考えた。1ヶ月後の脳波は正常化していた。血清HHV6 IgMおよびIgG抗体の上昇を認め、原因はHHV6感染と考えた。現在のところ発達は正常で、後遺障害は認めていない。
考察
症例1はHHV6脳炎・脳症の典型例である。症例2は月齢が低いことも一因と考えられるが症状がはっきりしなかった。一般にHHV6脳炎・脳症に関してはMRIで所見が認められる例が多いと報告されているが、今回のように所見が認められないこともあり、脳波が診断に占める役割は大きいと考えられる。
2.話題提供
DVD「ロレンツォのオイル−命の詩」(1992・米)を観て
マナベ小児科 真鍋 豊彦
過日、インターネットのニュース欄に“「ロレンツォのオイル」のモデル、30歳で死去”が目にとまった。「ロレンツォのオイル」が、X連鎖性劣性遺伝形式をとる難病として知られる副腎白質ジストロフィー:ALD(Adrenoleukodystrophy)の治療法の一つであることも知らず、1992年に米国で実話をもとに映画化され、評判になったことも知らなかった。DVDを観ると、その内容はもちろんのこと、モデルと家族など関係者が実在しているなか、このように深刻な実話が訴訟大国アメリカで映画化され、公開された事に驚いた。内容は次の通り(DVDのカバーから)である。
「我が子を救うために、必死で医学と闘い続けた両親の紛れもない真実の記録―。5歳の息子、ロレンツォが不治の病に侵されたという恐ろしい真実を知ったとき、オドーネ夫妻の壮絶な闘いが始まった。すさまじい葛藤の中で、夫婦愛の強さ、信仰の深さ、そして既存の医療の限界が試される・・。人々に希望をもたらす、魅力あふれる意志の固い両親役を、ノルティとサランドンが見事に演じきっている!真実のみが持つ迫真の映像と全編に流れるクラシックの名曲の数々。名作の香り高い感動の一篇!
」
映画が公開された翌年、「ロレンツォのオイル」は無効である、との論文が発表されたが、2005年に長期(平均6.9年)にわたる追跡結果が報告され、「オイル」がALD発症予防に効果があることが証明された。この映画が公開されたとき、ロレンツォは14歳となっており、コンピュータを用い、意思を伝達することができた。一般に小児期に発症したALDは、行動異常、知能低下、歩行異常などが急速に進行し、嚥下障害・寝たきりとなり、多くは2年以内に死の転帰をとるが、ロレンツォはその後も生存し、30歳の誕生日の翌日誤嚥性肺炎で死去した。 ロレンツォが発症した1980年代には、まだ造血幹細胞移植は治療法として確立していなかったが、今日では有効な治療法の一つの選択肢となっている。
この映画は公開後15年以上経っているが、一視聴者としても、また現役の小児科医にとっても年齢や経験の有無を問わず、教えられる所大なるものがあると思い、「話題提供」に採りあげた。
第485回「40周年記念会」
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平成20年10月3日(金)
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場所 | ユアーズ | ・ | ・ |
特別講演 | 「小児てんかんにおけるPET検査(Positron emission tomography)の適用について」 | 県立中央病院小児科 医監部長 |
若本裕之先生 |
新居浜小児科医会40周年記念会
(平成20年10月3日、於ユア−ズ)
平成20年10月3日(金)、新居浜小児科医会40周年記念特別講演・懇親会が「ユアーズ」で開かれました。 出席者は18名でした。(敬称略) (前列左から) 加藤文徳、松浦章雄、真鍋豊彦、若本裕之(特別講演講師)、塩田康夫、山本浩一、渡辺敬信 (後列左から) 中村 彩、森谷京子、後藤振一郎、松浦 聡、高橋 貢、鈴木俊二、大坪裕美、星加 晃、占部智子、楠目和代 (追加)藤枝俊之 |
新居浜小児科医会40周年記念特別講演会
小児てんかんへのPET(Positron Emission Tomography)の適用について
講師 愛媛県立中央病院 小児科 若本 裕之先生
(要旨)
近年難治性局在関連性(部分)てんかんの究極的な治療法として、わが国でもてんかん焦点部位を同定してその部位を切除するてんかん外科が盛んに行われてきている。演者はてんかん外科の必須な術前検査であるPositron emission tomography(以下、PETと略)について小児のてんかんにおける有用性を中心に述べた。難治性てんかんの検査として保険適応となったFDG(F-18-fluoro-2-deoxy-D-glucose)-PETはin vivoでのブドウ糖代謝の動態を調べることができる。FDGは体内に投与されたあと約30分かけて脳内に取り込まれるため、発作間歇期における発作焦点を精査するのに用いられ、てんかん焦点部位は低代謝の画像としてあらわされる。小児の難治性てんかんにおけるFDG- PETの有用性は以下のように要約できる。
点頭てんかんにおいては約20%の患者に局所的な発作焦点部位が同定され、内科的治療が功を奏しない場合はてんかん外科の適応となりうる。自己免疫性の進行性神経疾患であるラスムッセン症候群においては、てんかん発作が始まる病初期に頭部MRIで明らかな異常が見られなくても局所的な低代謝領域が示されることがある。Congenital bilateral perisylvian syndromeの患者は、頭部MRIで両側性にシルビウス裂の形成不全が認められるが、発作時の脳波やPET検査で調べるとてんかん発作は必ずしも両側から起こっているわけではないことが分かる。スタージ・ウエーバー症候群においては、血管腫以外にも広範囲に低代謝領域が拡がっているが、これは繊維連絡を介した2次的な低下であることが多い。すべての糖低代謝領域からてんかん発作が起こっているわけではない。一般的にFDG-PETの低代謝領域はMRIで認められる構造的異常領域より広範囲に描出される。片側巨脳症の患者では、病側の大脳半球切除術の後に残りの大脳半球からてんかん発作が起こってくることがある。そのため、ラスムッセン症候群、スタージ・ウエーバー症候群、片側巨脳症などでは、PETは一見健常に見える大脳半球の機能を評価する術前検査として用いられる。
本邦ではほとんど施行されていないが、GABAレセプターに結合するFlumazenilのPETは内側側頭葉てんかんに有用であり、FDG-PETよりも大脳皮質のてんかん病巣をより限局化して示す。また、Alpha-metyl-L-tryptophan(AMT)-PETは結節性硬化症のてんかん性結節の同定や先天性皮質形成異常症に伴った難治性てんかんの発作焦点を高率に示す(前者で70-80%、後者で60%)。
最近の総説論文ではMRIが正常な場合、FDG-PETの発作焦点部位の同定に関する有用性は側頭葉てんかんにおいて87%、すべての部位におけるてんかんを合わすと66%と言われている。しかし、小児てんかんは側頭葉以外のてんかんが多く、てんかん焦点の同定が成人よりも困難である。また、標準的な術式のある側頭葉てんかん(成功率70-80%)に比べて、側頭葉以外のてんかんは個々の症例に合わせて切除術を考えるため、術後の成績も50%前後の成功率に留まる。以上のように、PET検査がてんかん外科の有力な補助診断検査であることは明らかだが、FDG-PETの低代謝領域がすべててんかん病変を表していることではないこと(非特異的)、臨床症状や他の検査結果と合わせて総合的に所見を評価するべきことなどに注意する必要がある。小児科においてFDG-PET検査が薦められる適応例として、(1)MRIで異常所見のない難治性部分てんかん、(2)潜因性点頭てんかん、(3)脳波上多焦点性を示す症例、(4)大脳半球切除術の候補患者が挙げられる。最後に演者が経験した4症例を呈示し御供覧いただいた。
第484回
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平成20年9月10日(水)
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症例呈示 | 「難治性ITPとして経過観察されたX連鎖性血小板減少症の一例」 | 県立新居浜病院小児科 | 森谷京子 |
話題提供 | 「キレやすくなった脳」 | 渡辺小児科医院 | 渡辺敬信 |
1.症例呈示
難治性ITPとして経過観察されたX連鎖性血小板減少症の一例
愛媛県立新居浜病院小児科 森谷 京子
Wiskott-Aldrich症候群(WAS)は、サイズ減少を伴う血小板減少、湿疹、易感染性を3主徴とする原発性免疫不全症である。X染色体連鎖性劣性の遺伝形式をとり、その原因遺伝子はWASPである。免疫不全の程度はさまざまで、重症度によりクラス分類されている。
【症例】現在2歳11ヶ月の男児。母親は妊娠中の血液検査で血小板数10万/μl程度であり慢性ITPが疑われていた。出生時から全身に点状出血斑があり、血液検査で血小板数2.8万/μlと低値を認め、ITP母体児として経過観察した。各種検査を施行したが、血小板減少をきたす異常は特定できなかった。
2ヶ月時からアトピー様皮疹が目立つようになり、6ヶ月時より血小板低値が続くためプレドニゾロンの投与を開始した。感冒時には血小板数が低下し、ガンマグロブリン大量療法、ステロイドパルス療法を施行したが、治療効果は乏しく難治性ITPと考えた。
経過中血小板容積の減少を認め、ITPの治療への反応も乏しい点から、WASの可能性を考え遺伝子解析を行った。結果、WASP遺伝子のexon11のミスセンス変異を認め、WASの中でも免疫不全を伴わないX連鎖性血小板減少症(XLT)と診断した。
XLTを含めWASの治療は現在のところ造血幹細胞移植しか根治の方法はなく、平成20年1月にHLA完全一致非血縁者間臍帯血移植を行った。現在、移植後8ヶ月が経過するが血小板数は20万/μlと安定し、外来経過観察中である。
(解説)
WASの臨床症状はさまざまであるが、サイズの減少を伴う血小板減少は出生時から認められる共通した所見といえる。
Wiskott-Aldrich症候群の重症度分類は次のとおり。
クラスT(WLT)血小板減少のみ
クラスU(WLT)血小板減少+軽症一過性の湿疹±軽症感染症
クラスV(WAS)血小板減少+持続性の湿疹and/or反復性感染症
クラスW(WAS)血小板減少+持続性・難治性湿疹+反復性重症感染症
クラスX(WAS)血小板減少+湿疹and/or反復性感染症+自己免疫疾患あるいは悪性腫瘍の合併
2.話題提供
キレやすくなった脳
渡辺小児科医院 渡辺敬信
近年、学級崩壊、いじめ、虐待、家庭内暴力、うつ、そして凶悪な犯罪が増加の一途を辿っております。これらは我が国だけではなく、世界の先進国でも流行性疾患の如き様相を呈しております。なぜ情動をコントロールできず「キレやすくなった」のか、今少し考えてみます。
「キレる、キレやすい」とは、些細な注意や言葉を、すぐ自分に対する非難や攻撃として受け取ってしまい、そこで生じた怒りや憎悪といった情動をコントロールすることができず、暴力や暴言或いは回避に抑制がかからない状態ということができます。
感情や欲望をコントロールし不適切な行動を抑制して、危険やトラブル回避、切り替える役割をするのが、前頭前野の腹外側部です。同部位の機能低下や機能不全は衝動的行動を切り替えられなくさせるので、「キレる」行動を出現させます。その衝動的行動が他者でなく、自己にむけられた場合に自殺企図、自殺行為となります。
また腹外側部に隣接した腹内側部は、他者への関心や配慮など共感性や社会性の能力に関与し、同部位の機能低下ないし機能不全があると、自己中心的で、良心の呵責や罪悪感の欠如となります。
これらの部位(腹外側部、腹内側部)を含めた前頭前野の成熟には、他の脳の領域に比べて非常に時間を要し、大人になるまで発達し続けます。古くから云われているように、「よく遊び、よく学ぶ」ことで機能を獲得していきます。但し、「よく遊ぶ」とは人との関り、対人的体験学習です。テレビやゲーム、パソコン、ビデオなど電子映像メディアとの非対人的遊びでは機能を獲得することはできません。
ある調査によれば、国民一人のテレビの視聴時間は、1日平均4時間、1日1世帯当たりのテレビの視聴時間が、平均8時間に達するという。
東京都のある中学校で実施した調査では、電子映像メディアを1日5時間以上利用した生徒が3割にも達していた。現代人は如何に「メディア漬け」の生活をしているかがわかります。それによって、親や仲間との生の実体験の機会が奪われることになり、ひいては腹外側部、腹内側部の発達遅滞、機能低下を起こすものと推測されます。脳レベルでみると使われるシナプスが生き残るが、使われないシナプスは失われて、廃用性の機能低下を引き起こすことになります。
また、大脳皮質や辺縁系など脳全域にわたって調整している組織に縫線核(脳幹部)があります。この神経細胞は神経伝達物質であるセロトニンをシナプスを介して分泌し、脳機能を円滑に遂行させる役目を担っております。オーケストラに譬えれば、指揮者のような働きをします。その活動は、夜寝ている時は休んでいて、朝起きると持続的にインパルス発射を出し続け、太陽の光を浴びたり、体を動かす、特にリズム運動で活性化されます。一方、この神経核に抑制的働きをするのは、昼夜逆転の生活、運動せず部屋に閉じこもる日常とメディア漬けの生活、ストレス、疲労などです。
心の面でいうと、不安や緊張が強く、又うつ傾向や疲労感があり、心のバランスがとれない状態になります。その結果、うつ病やパニック障害を誘発したり、キレやすくなったりします。ストレスがあったり、疲労した時に、いらいらしてキレやすくなることはよく経験することです。
まとめ
前頭前野の腹外側部と腹内側部の活動のチャンスを奪うメディア漬けの生活は、同部位の発達遅滞、機能低下をきたします。また、太陽光を浴びず、運動せず部屋に閉じこもってのメディア依存の生活が、縫線核を不活性化し標的神経細胞(ここでは前頭前野腹外側部と腹内側部の神経細胞)へのセロトニン分泌低下をきたし、同部位の機能不全を起こします。この両者が相乗的に作用し、現代人をキレやすくしていると考えられます。
(文責 加藤 文徳)
第483回
夏季懇親会
(平成20年7月9日、於 旬花酒灯てんふじ)
平成20年7月9日(水)に、夏季懇親会が「旬花酒灯てんふじ」で開かれました。 出席者は11名でした。 (前列左から) 真鍋豊彦、星加 晃、松浦 章雄、塩田康夫 (後列左から) 森谷京子、森谷友造、楠目和代、加藤正隆、藤枝俊之、山本浩一、中村 彩(敬称略) |
第482回
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平成20年6月11日(水)
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症例呈示 | 「ギラン・バレー症候群の一例」 | 住友別子病院小児科 | 加藤文徳 |
話題提供 | 「病児保育のrefuge(避難所)としての機能とその評価」 | 村上記念病院小児科 | 松浦 聡 |
その他 | 「新居浜小児科医会四十周年記念会の日程について」 | ・ | ・ |
1.症例呈示
ギラン・バレー症候群の一例
住友別子病院小児科 加藤 文徳
ギラン・バレー症候群は急性の運動麻痺をきたす自己免疫性末梢神経疾患である。今回我々は本疾患の一例を経験したので呈示した。症例は4歳女子。下肢痛、歩行障害を主訴に受診した。歩行不能で、上腕二頭筋、膝蓋腱反射が消失していた。髄液検査で有核細胞数26/3、蛋白261 mg/dlと蛋白細胞解離を認めギラン・バレー症候群と診断した。免疫グロブリンを投与し症状の改善を認めた。発症から約二ヶ月で自力歩行が可能となっている。
ギラン・バレー症候群の60〜80%は先行感染がある。その病原体として最も多いのはCampyrobacter jejuniである。菌体上のリポ多糖がガングリオシドGM1様構造を有しており、C.jejuniに感染することで抗GM1IgG抗体が産生される。これが神経筋接合部シナプスでの活動電位の伝導を阻害することで発症する。症状は単相性で遅くとも1ヶ月以降回復に向かうが重症の場合麻痺筋力低下などの後遺症が残る場合がある。治療は小児の場合、免疫グロブリンが第一選択である。予後を改善するために早期治療が望まれる。
2.話題提供
病児保育のrefuge(避難所)としての機能とその評価
村上記念病院小児科 松浦 聡
A.母親と家族のrefuge機能
病児保育の啓発普及のための講演会を行った際、事前に病児保育に関するアンケート調査を行った。
病児保育を必要としているのは、対象年齢人口全体の30%前後の児であると推測された。「システムや利用の仕方」などの質問や「申し込みを簡単にしてほしい」などの要望が多くみられ、新たに西条市となった地域の母親に病児保育を理解してもらう必要があると思われた。「周桑病院に小児科がいない」ことを不安とする回答もあり、周桑病院病児保育とも連携を取ってバランスよく負担する必要があると思われた。
B.子どもの体のrefuge機能
今期インフルエンザの診断を受けてカンガルーハウスを利用した21例について検討した。
発熱から診断までの時間、診断から解熱までの時間を検討したところ、76%の症例でタミフル?の治療は効果的であったことが判明した。経過を記載した記録の検討により、解熱後は全員活気、食欲ともに良好で、経過中、けいれんや異常行動を訴えた例はなかったことが分かった。
病児保育は母の就業の支援となるだけでなく、診断後の経過を観察して治療や療養指導の評価をしていくことで地域医療の支援ともなり得る。
C.母と子の心のrefuge機能
心因性に食事摂取が困難になったと思われる児を病児保育で療養させた例を経験した。
外来診察の短い面会時間で母や児の本音を聞き出すのは非常に困難である。病児保育は母児分離が自然な形ででき、長時間観察できるというメリットがある。このため心因性の疾患の際にも効果を発揮できると思われるが、他の急性感染症の乳幼児と同時のケアとなることも多く、保育士や看護師の人員配置は簡単ではない。誰がリーダーシップをとるかなども今後の検討課題と思われる。
第481回
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平成20年5月14日(水)
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症例呈示 | 「ロタウィルス胃腸炎に脳症・敗血症を合併した一例」 | 住友別子病院小児科 | 中村 彩 |
話題提供 | 「短時間の禁煙指導と薬物療法の進歩」 | かとうクリニック | 加藤正隆 |
その他 | 「新居浜小児科医会四十周年記念会について」 | ・ | ・ |
1.症例呈示
ロタウイルス胃腸炎に脳症及び、敗血症を合併した一例
住友別子病院小児科 中村 彩
【はじめに】ロタウイルスは、乳幼児嘔吐下痢症の代表的な原因ウイルスである。合併症でもっとも多いのは脱水症であるが、それ以外にも多くの合併症があり、2歳以下では2神経症状を合併するとされている。また、腸粘膜の障害後に二次的に敗血症をきたすことが報告されている。
【症例】4歳3ヶ月、女児、生来健康。未明から嘔吐、水様下痢便を頻回に認め、午前外来受診しそのまま入院した。入院時現症Japan Coma Scale(以下JCS)20、体温37.2℃、体重20.1kg(体重減少なし)、口唇乾燥、腹部は平坦で軟、腸雑音が亢進していた。入院時の便中ロタウイルス抗原陽性であったため、ロタウイルス胃腸炎と診断した。輸液開始1時間半後に排尿があり、維持輸液に変更した。入院以降、嘔吐・下痢の回数は減少したが、第2病日午後から発熱し、ほとんど眠っていた。第3病日の早朝、ルート閉塞のため4時間輸液中止。発熱が続いており、ルート再確保時の検査でCRP16.5mg/dl(入院時0.1mg/dl)であったためsepsis work upを行い、CTRX投与を開始した(髄液細胞数12/3、血液・髄液培養陰性)。同日午後、意識状態がJCS100〜200と増悪した。頭部CTで軽度脳浮腫、脳波で広汎性に2Hz以下の徐波を認め、脳症と診断した。著明なアシドーシスとBUN上昇及び血圧低下があり、メイロン補正と輸液増量、マンニトールとカテコラミン投与、インフルエンザ脳症ガイドラインに準じて免疫グロブリン大量療法(1g/kg/回)を開始した。第4病日にはJCS1〜2と意識状態の改善があり、解熱傾向もみられた。第5病日、意識清明で解熱、血圧安定した。第8病日にCRPは陰性化し脳波検査で基礎波の回復を認めた。第9病日頭部MRIに異常なく、第10病日退院した。現在まで明らかな後遺症は認めていない。
【考察】入院時は脱水による意識障害と考えたが、その後輸液継続にも拘らず意識状態が改善されなかった。この時点で脳症の合併を疑うべきであった。また経過中の血液・髄液培養は陰性であったが、ロタウイルス感染の数日後に高熱とCRP上昇を認め、その後ショック状態に陥ったことから、敗血症も合併していたと考えている。
(解説)
ロタウイルスによる急性胃腸炎は、小児診療においてなんら珍しくない疾患である。冬場は、この疾患の患者への診療に忙殺される。ただ、いかにポピュラーな疾患であっても合併症として重大な疾患を起こしうることは小児科医として忘れてはならない。合併症の発症を予知することはできないが、合併症の発症を知るために患者の状態の変化に細心の注意を配ることは、可能である。
2.話題提供喫煙は病気、喫煙者は患者さん〜短時間の禁煙指導と薬物療法の進歩〜
かとうクリニック 加藤 正隆
喫煙者の60〜80%は禁煙を希望しているが、日本の喫煙者は医師の禁煙サポートも薬物療法もあまり禁煙に影響するとは考えず、医師も禁煙において最も責任があるのは患者さん本人と考えている。また、日本の医師は禁煙指導する率が先進国では最も低い。しかし、3分以内の短いアドバイスでも6ヶ月以上の禁煙達成者が2%増えるという研究結果があり、ニュージーランドでは30秒の短い禁煙アドバイスを含むガイドラインを提唱している。
禁煙のABC
A Ask 患者さんに喫煙、受動喫煙状況を聞き、記録する。
B Brief advice 短い(30秒以内でも可)禁煙アドバイス。
C Cessation 禁煙治療
小児の受動喫煙の原因となっている喫煙者には、屋外で喫煙した場合でも子どもの尿中ニコチン濃度が非喫煙家庭と比べると2倍になること、呼吸器系疾患だけでなく乳幼児突然死症候群、繰り返す中耳炎、アトピー性皮膚炎の大きな原因であること、低身長、知能低下、注意欠陥多動症候群児になる危険が増えることなどを説明することは有用である。
本年5月8日には、α4β2ニコチン受容体の拮抗作用および部分作動薬作用を併せ持つバレニクリン(商品名チャンピックス)が発売された。特別な禁忌はなく、ニコチンパッチと並ぶ第一選択薬と考えられ、精神症状の発現などに注意しながら、カウンセリングとの併用で禁煙成功率を上昇させることが期待されている。
(解説)
妊婦の喫煙は、胎児への虐待である。子どもがいる家庭での養育者の喫煙も、その子への虐待である。日常の外来診療の中で小児科医にできることは、喫煙する養育者に対してタバコの煙が子どもに与える害を訴え続けることしかない。
(文責 加藤 文徳)
第480回(東予小児カンファレンスと共催)
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平成20年4月15日(火)
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場所 | リーガロイヤルホテル | ・ | ・ |
学術情報提供 | 「非静注インフージョンポンプ:グロウジェクター」 | 大日本住友製薬KK | 学術部 |
特別講演 | 「少子高齢化における小児医療の現状と将来像」 | 愛媛大学大学院 医学系研究科 小児医学教授 |
石井榮一先生 |
第479回
送別会
(平成20年3月12日、於興慶)
平成20年3月12日(水)に、岡本健太郎先生を送る会がユアーズコープ「興慶」で開かれました。 出席者は8名でした。 (前列左から) 塩田康夫、岡本健太郎、中村 彩、真鍋豊彦 (後列左から) 松浦 章雄、渡辺敬信、加藤文徳、山本浩一(敬称略) |
第478回
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平成20年2月13日(水)
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症例呈示 | 「良性乳児けいれんの1例」 | 住友別子病院小児科 | 後藤振一郎 |
話題提供 | 「東予児童相談所からの報告」 | 松浦小児科 | 松浦章雄 |
1.症例呈示
良性乳児痙攣の1例
住友別子病院小児科 後藤振一郎
症例は1歳4ヶ月、男児。平成19年7月15日、嘔吐下痢に随伴する痙攣発作のため入院した。入院中に約3分間の全身痙攣が2回認められた。血液検査、脳波には異常を認めなかった。便からサポウイルスが分離された。 5ヵ月後の平成19年12月23日に前回と同様の2〜3分間の全般痙攣が一日に6回群発した。この時は胃腸炎症状を伴わず、血液検査、頭部CT、髄液検査では異常を認めなかった。しかし発作時脳波で右後頭部からの棘波を認め、これは二次性全般化していた。痙攣の群発にはジアゼパムは無効で、フェノバルビタール、カルバマゼピンにより抑制された。
以上の経過から
@ 3歳未満の無熱性の群発痙攣である。
A
痙攣はジアゼパムで抑制されず短時間で自然に頓挫している。
B
発作間欠期の脳波は正常で、発作時は焦点発作からの二次性全般化を認める。
C
器質的な脳の異常を認めない。
D 半年以内に再発している。
が当症例には合致し、良性乳児痙攣と診断した。現在はカルバマゼピンの内服を継続しており、今のところ再発を認めていない。
(解説)
1963年に福山(東京女子医大)がてんかん境界領域として提唱した「良性乳児けいれん」は、わが国では広く知られる概念となり現在では国際的に認知されている。その発作予後は極めて良好といわれている。乳幼児期の小児は、さまざまな原因で痙攣発作をきたし得るが、小児科医はそれらの発作を正しく鑑別し、過剰治療や過少治療にならないよう心掛ける必要がある。
2.話題提供
東予児童相談所からの報告
松浦小児科 松浦 章雄
発表者は東予児童相談所の嘱託医をしており、相談所や嘱託医の仕事を紹介した。 東予児童相談所に通告された虐待事例の統計を示した。
事例は年々増加している。平成17年度から虐待通告の窓口が市町村になった。市だけで処理された軽微な事例を含めると相当な増加になる。虐待が増えたというよりも、近年関心が高まり、通告される件数が増加したためと思われる。
症例の紹介
症例1.身体的虐待
父親からの身体的虐待で打撲による硬膜下出血や、熱傷があった4ヶ月児。当初は虐待によるものかどうかの判断が難しかった。患児は施設に入所したが、その後、父母が離婚し家庭が崩壊した。母親が患児を引き取れるようになれるのを待っている。
症例2.心理的虐待
母子家庭。精神疾患加療中の母は、小学2年生の患児の見ているところでリストカットなどを繰り返していた。患児は非常に怯え、前頭部に抜毛症の痕があった。母が入院するため、患児は施設入所となった。母が退院し、家庭に帰ったが、母が相変わらず不安定で、今後に不安を抱えている。
症例3.ネグレクト
小学4年生の患児と母の母子家庭。母がささいなことでしばしば患児を家から閉め出し、身体的虐待も伴うようになった。患児自らが養護施設に保護を求め、緊急に一時保護となった。患児は家庭へ帰る意思が無く、一応施設入所となったが、将来どうするかは問題を抱えたままである。
症例4.虐待が起こる前にハイリスクで介入した例。
患児は超未熟児で出生、無事成育してきた。両親ともに知的障害があり、父親の精神疾患や反復する非行歴・服役歴がある。そのまま家庭保育とするにはあまりにもリスクが大きいと思われ、両親を説得して施設(乳児院)入所となった。将来の家庭保育に向けて取り組みを行っている。
4例ともに施設への入所は緊急避難であり、これで解決したわけではない。これから、家庭に帰れるかに大きな難題を抱える事例である。虐待を起こす家庭環境はいろいろなリスクを抱え、脆弱である。外部から介入するとたやすく崩壊してしまうことがある。子どもにとって家庭が崩壊することがいいはずは無い。それでも、子どもの生命の安全を第一に、近年は早期から介入する傾向になってきたといえる。児童相談所から医療側への要望としては、「虐待が疑わしい例は必ず通告して欲しい」ということであった。患者さんのプライバシーを守る義務よりも虐待を通告する義務が優先することを認識したい。
(解説)
医学雑誌「小児科臨床」は2007年4月号で「どう関わるか子ども虐待」という特集を編んで、次のように述べている。
「医師が、虐待された子どもを診断し治療することを様々な理由を挙げて避けようとするとき、それは子どもたちにとっては、「ネグレクトという虐待」にほかならない。私たちが、自らの義務を放棄するとき、私たちは子どもたちにとって“加害者”になる。子どもたちは、自分を愛し守ってくれるはずの親から虐待されるばかりでなく、自分たちを救い出す法的、職業的、倫理的義務を負っている専門家から虐待されることになる。彼らは二重に虐待されるのである。そのような悲劇的な事態だけは絶対に避けなければならない。」
(文責 塩田 康夫)
第477回
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平成20年1月9日(水)
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症例呈示 | 「アデノウィルス3型による脳炎・脳症の2例」 | 県立新居浜病院小児科 | 岡本健太郎 |
話題提供 | 「小児科医にできる育児支援とは?」 | 十全総合病院小児科 | 占部智子 |
1.症例呈示
アデノウイルス3型による脳炎、脳症の2例
愛媛県立新居浜病院小児科 岡本 健太郎
アデノウイルス3型は、上気道炎や咽頭結膜熱の原因としてよく知られているが、脳炎、脳症の報告はまれである。今回、脳炎、脳症の2例を経験したので報告した。
症例1)11歳、男児。主訴は痙攣、意識障害、発熱。髄液のウイルス分離でアデノウイルス3型が検出された。脳波上全般性の徐波を認め、アデノウイルス3型による脳炎と診断した。痙攣が遷延しミダゾラムの長期投与を必要とした。急性期を脱した後も抗てんかん薬の内服を必要とし、性格変化を残した。
症例2)4歳、男児。発熱が出現した翌日に、手指の振戦とともに見当違いのことを言い、言語の理解が不良となることが数時間認められた。同様の症状は解熱後も続いた。咽頭と便からアデノウイルス3型が分離され、アデノウイルス3型による脳症と診断した。まれではあるが、脳炎、脳症の原因としてアデノウイルス3型も考える必要がある。
(解説)
アデノウイルスは現在51の血清型が報告されている。気道感染症は1〜7型、腸管感染症は40と41型、出血性膀胱炎は11型、流行性角結膜炎は8型というように疾患と血清型が密接な関係を有するものが少なくない。なかでも7型は病原性が高いことでよく知られている。国立感染症研究所感染症情報センターの発表によると、2005年に分離されたアデノウイルスのうち3型は32%と最も多く検出されている。3型はアデノウイルスの中では通年検出率の一番高い血清型である。
2.話題提供
小児科医にできる育児支援とは?
十全総合病院小児科 占部智子
当院で行っている小児へのリハビリテーション(作業療法)の紹介と、小児科医にできる軽度発達障害児の支援について報告した。
当院での小児のリハビリテーション(作業療法)(以下、リハビリと略す)患者は、紹介患者がほとんどで、紹介元は、住友別子病院、県立新居浜病院、つばさ発達クリニック、愛媛県立子ども療育センター(前:愛媛整肢療護園)などである。障害者自立支援法の施行後は、自閉症、ADHDなどの発達障害児もリハビリ対象となっている。2006年11月から2007年10月の1年間の小児科リハビリ患者数は61名で、その内、自閉症13名、ADHD3名で、計16名、全体の26%を占めている。これらの発達障害児は、次のような特徴がある。
@知覚過敏がある。A感覚統合ができていない。B先の見通しが立たない。C文字通りの意味しか理解できない。表情や場面などで相手の気持ちを読み取ることができない。DADHDに関しては、自らの行動をコントロールする力が弱い。これらの特徴が周囲に理解されないために、本人も周囲も困ることになる。
当院では患者一人一人に担当作業療法士を決め、患者本人に感覚統合療法を行い、家族や学校の担任の先生に病気の理解を求め、トラブル時の対処法などを指導しよりよい社会生活・学校生活を送れるように調整をしている。
発達障害児は、わがままで親のしつけがなっていない「困った子」ではなく、障害のために「困っている子」であるという視点にたって支援することが大切である。発達障害児に周囲が不適切な対応を続けていると、学力不振、暴力行為、二次障害を起こす可能性がある。早めの対応が期待されるが、アスペルガー障害や注意欠陥多動性障害では、就学後に初めて障害に気づかれた場合、病気受容に時間がかかる。さらに、専門医療機関(児童精神科医など)の不足から、診断にも時間がかかる。しかし幸いなことに、発達障害者支援法の施行、特別支援教育の開始により、医療機関による診断がなくても、教育機関の判断で通級指導教室への特別教育支援ができるようになった。
発達障害児の治療法を紹介した。
@行動療法:患児の行動を3つに分析し、それぞれの対処法を考えていく。(増やしたい行動→ほめる。減らしたい行動→無視する。すぐ止めるべき行動→しかる。)
親への指導も大事で、指示は具体的に、決まりに一貫性があること、賞罰はその場で行い、罰はあらかじめ警告しておくこと、こどもが感情的になったら、親もクールダウンせよ、他と比較して叱らないなどを指導する。
AソーシャルスキルトレーニングSST:視覚化、構造化。例えば、一日のスケジュール、クラスの決まり、ルールなどを簡潔な文や絵で、教室に掲示してわかりやすくするなど。
BOT指導:感覚統合療法(訓練)。すなわち、入力された感覚を統合する力を伸ばしていく訓練である。バランス訓練、手先を使った訓練を楽しく行うことにより、触覚過敏、不器用さ、バランス感覚の悪さ、自らの行動コントロールの弱さを克服する。最終的に、思考、判断、表現力が強化される。
他に
C学習指導、D心理カウンセリング、E薬物療法などがある。
おわりに、発達障害児が相対的に増えていることで、一般小児科医もその対応をせまられることが増えている。軽度発達障害児支援のささやかな助けになれば幸いである。
(解説)
近年「軽度発達障害」という表現は多くの人々に認知されるようになった。
軽度発達障害児への医学的治療には専門的な知識を必要とする。さらには教育機関、療養施設、民間施設などとの協力も必要である。治療のゴールは何か。それは子供の持つ特質を消失させることではなく、その特質を持ちながら生きていくことが可能となるように手助けすることである。
(文責 加藤 文徳)
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