定例新居浜小児科医会(平成5年3月以降)

新居浜小児科医会誌

第500回記念号 (平成22年12月1日発行
第400回記念号 (平成13年12月25日発行


平成24年(521回→)

第531回

平成24年新居浜小児科医会忘年会
 (平成24年12月12日、於常富寿司)

 平成24年12月12日(水)、新居浜小児科医会忘年会が「常富寿司」で開かれました。
 出席者は12名でした。(敬称略)
(前列左から)真鍋豊彦、楠目和代、塩田康夫、渡辺敬信、松浦章雄
(中列左から)加藤文徳、岸川優紀
(後列左から)矢野喜昭、竹本幸司、山本浩一、加賀田敬郎、松浦 聡
 

第530回

日時
平成24年11月14日(水)
場所 新居浜市医師会館
症例呈示 「自己血清による皮内反応が陽性であった慢性蕁麻疹の一幼児例」 県立新居浜病院小児科   岸川 優紀
 話題提供   「インフルエンザ迅速検査を比較してみました」 ふじえだファミリークリニック   藤枝 俊之

1.症例呈示

  自己血清による皮内反応が陽性であった慢性蕁麻疹の一幼児例

      
県立新居浜病院 小児科 岸川優紀

慢性蕁麻疹は2011年の蕁麻疹診療ガイドラインによると4グループ、16の病型に分類される。特発性の蕁麻疹のうち発症して1カ月以内のものを急性蕁麻疹、それ以上経過したものを慢性蕁麻疹と言い、特発性のものが約7割を占めるといわれている。
 今回経験した症例は6歳男児で、繰り返す膨疹を主訴に受診した。近医でH1拮抗薬による内服加療を開始されたが改善せず、2か月後に当院を紹介受診した。2剤のH1拮抗薬とH2拮抗薬、ステロイド剤の内服頓用を行ったが、4か月後からほぼ毎日膨疹が出現するようになり、睡眠障害を伴った。ステロイド剤の定期内服により症状は軽快したが、中止に伴い再燃を認めたため精査加療目的に入院した。
 血液検査ではD-dimer、プロトロンビンF1+2の上昇を認めた。自己血清による皮内反応を行い、15分後に11×11mmの膨疹、23×24mmの紅斑を認め、皮内反応陽性と判定した。また、抗IgE抗体、抗FcεRI抗体について広島大学へ検査を依頼したが、結果は陰性であった。
 治療はH1受容体拮抗薬を増量、多剤併用し、H2受容体拮抗薬、ロイコトリエン拮抗薬、ステロイド剤の内服を開始した。膨疹はすみやかに改善し、ステロイド剤を3か月かけて減量中止し、症状は消退した。症状の改善に伴い、プロトロンビンF1+2、D-dimerは正常値へ低下した。
 慢性蕁麻疹の中には、自己血清皮内反応に陽性を示す症例やマスト細胞を活性化する自己抗体(抗IgE抗体、抗FcεRI抗体)をもつ症例が存在し、自己免疫機序との関連が推定されている。マスト細胞を活性化する因子の一つとして凝固機能との関連も報告されている。また、自己免疫疾患との関連も言われており、慢性蕁麻疹患者ではリウマトイド因子、抗サイログロブリン抗体の陽性率が高いことや、甲状腺疾患や関節リウマチを発症する率が高いことも報告されており、今後も症例毎に検査、検討を行い、治療方針を決定していきたい。

2.話題提供
 
  インフルエンザ迅速検査を比較してみました

     富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ FluAB®とクイックナビ-flu®の比較

     ふじえだファミリークリニック 藤枝 俊之

2011年10月から、銀塩増幅技術を応用したイムノクロマト法(ドライケム法)によるインフルエンザ迅速検査(富士ドライケム IMMUNO AG カートリッジ FluAB®)が発売され、臨床応用が可能となった。今回、20112012インフルエンザ流行シーズンに、従来のイムノクロマト法を原理とした迅速検査(クイックナビ-flu®)とこの検査を比較する機会を得た。
 検体は鼻汁吸引液(190検体)を用い、それぞれの検査とRT-PCR法との比較を行った。また、発熱(38)から検査実施までの時間に注目し、12時間未満(111検体)と12時間以上(63検体)で検査結果に違いがあるかをあわせて評価した。
 
クイックナビfluとドライケム法の比較では、A型Fluの陽性一致率に関しては、90%以上であることからほぼ同等であると考えられた。 B型Fluの陽性一致率に関しては76%と一致率は低かった。これはクイックナビ-Fluの偽陰性が多いことに起因すると考えられた。 陰性一致率に関しては、A型Flu及びB型Fluともに90%以上であることから同等であると考えられた。
 イックナビflu とPCR-RT法との比較では、クイックナビfluのA型陽性一致率は77.5% B型陽性一致率は73.8% 全体一致率は88.9%であった。
 ライケム法とPCR-RT法の比較では、ドライケム法のA型陽性一致率は82.5%% B型陽性一致率は95.2% 全体一致率は94.7%であった。
 発熱から検査実施までの時間の違いによる性能比較結果では、発熱から12時間未満でA型Flu陽性一致率はクイックナビ-Flu(60.0%)とドライケム法(66.7%)と感度はほぼ同等であるが、B型Fluの陽性一致率はクイックナビ-Flu(56.5%)とドライケム法(91.3%)ドライケムの方がクイックナビ-Fluよりも有意に感度が高いと考えられた。A型陰性一致率、B型Flu陰性一致率はともに100%であった。
 発熱から12時間以上で
A型Flu陽性一致率(クイックナビ-Flu(85.0%)とドライケム法(90.9%))、B型Fluの陽性一致率(クイックナビ-Flu(94.1%)とドライケム法(100%))A型陰性一致率、B型Flu陰性一致率はともにほぼ同等であった。
 本試験では、発熱早期の患者に注目して収集したことから、発熱から12時間未満の検体数(111検体) の割合が、12時間以上の検体数(63検体)の約2倍となった。 そのため、B型Fluの成績が発熱から12時間未満の成績に引っ張られため、ドライケムの方がクイックナビ-Fluより、より有意に感度が高い結果となったと考えられた。
 ドライケムは、発熱から12時間未満の検体をクイックナビ-Fluと比較すると、A型Fluでは感度は同等であったが、B型Fluは有意に感度が高かった。しかし、12時間以上の検体では、ドライケムとクイックナビ-Fluの感度は同等であると考えられた。
 ドライケムは、B型インフルエンザウイルス感染症の発熱から12時間未満の患者や B型インフルエンザウイルス流行、特に流行初期や終焉期の限定された期間では有用性があると思われる。しかし、従来の検査法を大きく凌駕するほどの検査成績とまではいえず、高価で特殊な機器を必要とし、機器の設置場所を確保するのが大変・多検体処理に向かないドライケムの欠点を考えれば、日常外来診療においてはクイックナビ-Fluを用いた従来の検査法で大きく問題となるわけではない。
 インフルエンザ診療に当たっては、迅速検査によるインフルエンザ診断には限界があることを十分理解し、症例に応じた検査実施が必要である。安易な迅速検査実施は救急医療へのしわ寄せ、医療費高騰の要因となるため、社会的影響も十分考えた上で 実施することが大切である。


第529回

日時
平成24年10月10日(水)
場所 新居浜市医師会館
学術情報提供 「四種混合ワクチンについて」 化学及血清療法研究所
 症例呈示  「可逆性脳梁膨大部病変を有する脳炎・脳症を合併したと考えられたロタウィルス感染症の1例」 住友別子病院小児科 矢野喜昭
その他 「研修集会の単位変更について」

1.学術情報提供 
   
  四種混合ワクチンについて

     化学及血清療法研究所
   

2.症例呈示

  可逆性脳梁膨大部病変を有する脳炎・脳症を合併したと考えられたロタウイルス感染症の1例

     住友別子病院小児科 矢野喜昭


 ロタウイルス感染症は、乳幼児の胃腸炎の主要な原因ウイルスであり、嘔吐、下痢、発熱などの症状を生じる。痙攣症状も生じることがあるが、なかには急性脳炎・脳症を合併する場合が存在する。また、急性脳炎・脳症は複数の疾患群からなり単一の疾患ではないとされている。

 症例は5歳6か月の男児。現病歴は4月21日から嘔吐が出現、4月22日から頻回の水様便、発熱を認め、呼びかけへの反応が乏しくぐったりしてきたため4月23日深夜帯に当院救急外来を受診した。
 受診時現症では、38度の発熱、意識レベルJCS2、軽度項部硬直を認めた。便中迅速検査でロタウイルス抗原陽性を認め、ロタウイルス感染症と診断した。意識状態不穏のため頭部CT検査を施行、びまん性脳浮腫を認めた。
 血液検査では、Na131mEq/lと低Na血症を認めた。頭部CT所見から急性脳症を否定出来ず、第2病日、頭部MRI検査を施行。脳梁膨大部にT2強調像および拡散強調像で高信号を呈する病変を認め、臨床経過とあわせて可逆性脳梁膨大部病変を有する脳炎・脳症と診断した。
 治療は、痙攣・脳浮腫に対する治療およびブドウ糖加酢酸リンゲル液を用いた低Na血症の補正を行った。速やかに痙攣が頓挫したためステロイドパルス療法等行わなかった。その他の臨床症状は、座位保持困難、言語障害を認めたが、第5病日には改善した。第10病日に頭部MRI検査を施行。脳梁膨大部病変はほぼ消失した。現在、精神運動発達の遅れを認めず、明らかな後遺症を認めていない。 

 可逆性脳梁膨大部病変を有する脳炎・脳症は、頭部MRI検査で急性期に拡散強調画像で高信号(ADC低下)、T1強調像で等信号ないし、わずかに低信号、T2強調像で高信号を呈し、造影剤による増強効果を認めず、1週間以内に画像所見は消失し、信号異常、萎縮を残さないとう特徴的な所見が知られており、発症早期の頭部MRI検査は診断に有用である。
 臨床症状では、発熱後1週間以内で異常言動・行動、意識障害、けいれんなどで発症し、神経症状発症後10日以内に後遺症なく回復することが多い。本疾患に特異的ではないが、低Na血症を呈しやすく注意が必要とされている。
 治療は、必ずしもステロイドパルス療法、ガンマグロブリン療法のような高サイトカイン血症に対する治療を必要とせず、低Na血症の補正を行うことで症状の改善を認められた報告があり、統一した治療は確立されていない。発症に関与する病原体はロタウイルス以外にもインフルエンザウイルス、ムンプスウイルスなど多種多様であるため、急性脳症を疑う場合、本疾患を鑑別疾患として考慮する必要があると考えた。
         


第528回

日時
平成24年9月15日(土)
場所 リーガロイヤルホテル新居浜
学術情報提供 「オラペネム小児用細粒10%」 Meiji Seika ファルマ株式会社
 特別講演  座長  住友別子病院 主席小児科科長  竹本 幸司先生
講師  久留米大学医学部小児科学講座 講師 津村 直幹先生
演題  「小児感染症の新たな予防・治療戦略~ワクチンの重要性とその限界、そして耐性菌の現状を考慮した抗菌薬の選択~」

特別講演会

  小児感染症の新たな予防・治療戦略
     ~ワクチンの重要性とその限界、そして耐性菌を考慮した抗菌薬の選択~

    久留米大学医学部 小児科学講座講師 津村直幹

はじめに

小児科領域では外来受診患者の約7割が感染症であり、さらにその8割程度が呼吸器感染症である。年齢分布は7歳未満、とくに1~2歳に最も多く分布し、疾患別では咽頭炎、喉頭炎等の上気道炎と気管支炎で全症例の大部分を占める。また肺炎は成人同様に小児科領域でも最も重要な感染症である。しかし小児では成人と比較して、臨床検体が得にくい点や、年齢によって原因微生物が異なる点など診療上の注意点がいくつか存在する。簡単には原因微生物を同定することは困難であり、年齢を考慮した抗菌薬治療を開始する場合も多い。

また公費助成が開始されたインフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンと7価小児用肺炎球菌ワクチン(PCV7)の最大の目的は、細菌性髄膜炎を中心とした小児侵襲性感染症の予防である。細菌性髄膜炎は、わが国では年間1000人近い子どもが発病していると推定されている。早期診断が難しく、耐性菌の増加から治療も難しくなっており、乳幼児が感染すると重い後遺症を引き起こし、死に至る場合もある。好発年齢は1歳以下であるため、可能な限り早期のワクチン接種が必要である。

年齢を考慮した小児感染症の特徴

1)新生児~3か月未満:

・この年齢での発熱は重症感染症の頻度が高くなる(7.1~27%)。その中でも細菌性髄膜炎の原因菌であるB群レンサ球菌(GBS)が最も重要である。妊婦のGBSスクリーニングが重要であり、GBS感染リスクの高い妊婦の抗菌薬予防投与は新生児の感染率を大幅に低下させる。また妊婦に対するGBSワクチンが開発中であり、その効果が期待されている。

・最近稀ではあるが、ブドウ球菌性肺炎では多呼吸、鼻翼呼吸、陥没呼吸など呼吸困難が急速に進行し、胸部X線所見ではpneumatoceleが認められ、膿胸を伴うことも多い。

・クラミジア・トラコマティス肺炎の多くは産道感染であり、この年齢の肺炎ではRSウイルスと共に頻度が高い。発熱はなく、咳は持続性となり百日咳との鑑別が必要となる。結膜炎の存在や、末梢血好酸球の増加が診断の手がかりとなる。

・百日咳の診断基準を表1に示す。治療にはマクロライド系抗菌薬(MLs)が第一選択薬であるが、典型的な咳が出現し始めた頃では症状改善効果は乏しい。しかし、周囲への感染伝搬を防ぐ目的で除菌する事は重要である。通常、CAM投与5~7日で百日咳菌は陰性となる1)

2)3か月~5歳の乳幼児:

・細菌性髄膜炎の好発年齢である。HibワクチンとPCV7の公費助成が開始されて間もなく死亡事例が発生し、一時接種見合わせになったが2012年1月、厚労省はワクチンと死亡に直接的な因果関係は認められない、とした。同時接種の安全性は世界の常識であり、同時接種によってSIDSのリスクを減少させることも報告されている2)

・わが国でも公費助成が本格化した2011年、Hib髄膜炎は57.1%減少した。しかし肺炎球菌髄膜炎は25%減少にとどまっている。これはPCV7がわが国における侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)血清型の約75%をカバーしていること、更に欧米同様に非ワクチン血清型、特に19A肺炎球菌感染症の割合が増加していることなどが考えられている。米国では、19Aを含めた新たな6種類の萊膜抗原を加えたPCV13が認可され、2010年6月から導入している。PCV13はIPDの約90%をカバーするため、わが国でも早期の承認、導入が望まれる。

・細菌性肺炎の原因菌は、肺炎球菌、インフルエンザ菌が中心で、その臨床症状は重篤感があり炎症所見も強い。それぞれの耐性菌の分離率は50%を超えているので、耐性菌を考慮した抗菌薬の選択が必要となる。

・アデノウイルス7型による肺炎は他のウイルス性肺炎と異なり、高熱の持続、鼻翼呼吸、陥没呼吸、チアノーゼなど呼吸困難が出現し、しばしば重症で致死的となる場合がある。

3)6歳以上の小児:

A群β溶血性レンサ球菌(group A Streptococcus : GAS)性咽頭・扁桃炎治療には、過去50年以上にわたってペニシリン系薬の10日間治療がゴールデンスタンダードとされてきた。しかし、小児でのGAS除菌失敗例が注射ペニシリン系薬で37%~42%、経口ペニシリン系薬で35%に及ぶとの報告がある3)。このようにGAS性咽頭・扁桃炎に対するペニシリン系薬の効果が充分ではない原因として、口腔内にペニシリンを分解するβラクタマーゼ産生細菌の存在(Moraxella catarrhalisなど)、GASの増殖を抑制する口腔内常在菌の減少、GASの細胞内侵入(ペニシリン暴露からの逃避)、そして服薬期間が長いため服薬コンプライアンスが悪い、などが考えられている4)。最近のmeta-analysisの結果でも、ペニシリン系薬に比べてセフェム系薬の方が臨床効果および細菌学的効果ともに優れているとの報告がある5)。われわれの研究でも、CDTR-PIの5日間投与とAMPCの10日間投与における臨床効果、細菌学的効果、口腔内常在菌叢への影響を比較検討した結果、急性GAS性咽頭・扁桃炎小児に対して、CDTR-PI 5日間の短期治療はAMPCの10日間治療と臨床効果および細菌学的効果ともに同等であること、またCDTR-PIはAMPCに比べて口腔内常在菌叢を乱さないことを証明した6)

・肺炎の原因の多くは呼吸器ウイルス、肺炎マイコプラズマ、肺炎クラミジアであり、いわゆる異型肺炎の形をとることが多い。細菌性では肺炎球菌性肺炎の頻度が高い。

・肺炎マイコプラズマ肺炎では、発熱、乾性咳嗽で始まり、しだいに湿性となる。また夜間に咳が増強する傾向があるが、発熱が先行し数日後から咳が出現する経過もしばしば経験する。症状の割に胸部聴診所見は乏しいことが多い。

・肺炎クラミジア肺炎では、マイコプラズマ肺炎に類似した症状であるが、咳が長引く傾向があり一般に高熱になることは少ない。また一過性の喘鳴も伴いやすい。


第527回

平成24年新居浜小児科医会夏季懇親会
 (平成24年7月11日、於川わき)

 平成24年7月11日(水)、新居浜小児科医会夏季懇親会が「川わき」で開かれました。
 出席者は10名でした。(敬称略)
(前列左から)真鍋豊彦、松浦章雄、手塚優子、塩田康夫
(後列左から)星加 晃、楠目和代、大坪裕美、山本浩一、加藤文徳、加賀田敬郎
 

第526回

日時
平成24年6月13日(水)
場所 新居浜市医師会館
症例呈示 「DICを伴った急性巣状細菌性腎炎の1例」 県立新居浜病院小児科 加賀田敬郎
話題提供 「百日咳の診断と現行ワクチン制度の問題点」 高橋こどもクリニック 高橋 貢
その他 「ワクチン(ポリオなど)の説明会」について

1.症例呈示

  急性巣状細菌性腎炎にDICを伴った一例

    愛媛県立新居浜病院小児科 加賀田敬郎

 症例は3か月の男児。

 発熱、哺乳力低下で当院夜間外来を受診した。血液検査では炎症反応の上昇はなく、軽度肝機能異常を認めるのみだった。熱源不明の為精査加療目的で入院した。

 入院後、尿検査で白血球の増加を認め、腹部超音波検査及び造影CTの結果、左急性巣状細菌性腎炎と診断した。抗菌薬CTXで治療を開始した。しかし翌日も解熱せず、血液検査で炎症反応の急激な上昇と凝固系の異常を認め、DICを合併した。CTXをMEPM に変更し、さらに免疫グロブリン製剤を使用した。DICに関しては低分子ヘパリン、FUTを開始した。しかし呼吸状態が悪化したため、愛媛大学医学部付属病院に搬送した。
 転院後、抗菌薬はMEPMにVCMが追加され、DIC治療はrTMに変更された。その後症状は軽快し、計16日間静注抗菌薬が投与された。ST合剤の予防内服が開始され退院した。退院後のDMSAシンチで左腎の委縮、びまん性の集積低下、レノグラムで左腎機能低下を認めた。さらにVCUG検査でVUR4度と診断し、県立中央病院泌尿器科にて逆流防止手術が施行された。その後、逆流は消失し尿路感染の反復も見られていない。

2.話題提供

  当院での百日咳症例の検討

    高橋こどもクリニック 高橋 貢

はじめに

 1981年秋から無菌体百日咳ワクチンを含む沈降精製DPTワクチンの接種が開始され、百日咳の報告数は4、5年ごとに小さな増減を繰り返しながら確実に減少してきている。しかし、2005年から微増、2007年には各地で集団感染が報告され、香川大学、高知大学医学部および付属病院での集団発生は記憶に新しい。2008年には過去10年にない多くの患者が報告された。また、百日咳は元来小児の疾患であり年長児、成人の患者は少なかった。しかし、2000年以降は患者年齢が年長に移行し、特に2006年から10歳以上の患者が増加し、2008年のピークには20歳以上が36.6%となった。
 今回、2007年および2011年の小児呼吸器感染症診療ガイドラインを用いて一般小児科診療所における百日咳症例を検討した。また、DPTワクチン歴から現行ワクチン制度の問題点を考えた。  

対象および方法

 2008年4月1日から2012年3月31日までに当科を受診した、2週間以上咳嗽が続き、発熱、喘鳴を伴わない79症例について、百日咳菌抗体価を細菌凝集法およびEIA法で測定した。 

結果

 1. 2008年4月から2012年3月までに当院で百日咳症例37例(2007年ガイドライン)、17例(2011年ガイドライン)が診断された。

 2.性差はなく、6-10歳、11-20歳に多く認められた。

 3.家族例は5組(3組は2011年ガイドライン)であった。

 4.予防接種歴では24例/37例(2007年ガイドライン)、11例/17例(2011ガイドライン)(ともに約65%)が3回以上接種していた。

結論

 百日咳は増加傾向にあると思われ、高年齢化していた。我が国でも米国と同様に5歳頃にDPT追加し、さらに現行のDTを、Pを含むワクチンに変更することが急務であると思われた。


第525回

日時
平成24年5月9日(水)
場所 新居浜市医師会館
症例呈示 「共に幼児期に発症した1型糖尿病の姉妹例」 住友別子病院小児科 竹本幸司
話題提供 「小児脳性麻痺に対する自己臍帯血幹細胞輸血による治療について」 川上こどもクリニック 川上郁夫

1.症例呈示

  
共に幼児期に発症した1型糖尿病の姉弟例


    住友別子病院小児科 竹本幸司

 小児1型糖尿病の発症率には人種差があり、日本は小児人口10万人あたりの年間発症率が約2人と低頻度に位置する。一方同胞の発症率は諸外国の報告では3-5%、本邦のアンケート調査では2-3%と年間発症率ほどの差はなく、一般の発症率の数百倍のリスクとなる。
 今回我々は共に幼児期に発症した姉弟例を経験した。発端者の姉は1歳0ヶ月時に口渇、多飲、多尿を契機に発見された。姉の発症時、母親は後に発症する弟を妊娠中であった。弟は2歳9ヶ月時にやはり口渇、多飲、多尿を契機に発見された。共に自己抗体陽性であり、疾患感受性HLAのハプロタイプも有しており1型糖尿病と確定診断された。インスリン2-4回/日の治療を要し、比較的早期からインスリン依存状態であった。
 小児1型糖尿病の同胞発症例は貴重と考えられ文献的考察を含めて報告する。

2.話題提供
   
  小児脳性麻痺に対する自己臍帯血幹細胞輸血による治療について


    川上こどもクリニック 川上郁夫


 現在、白血病や骨髄不全症候群、免疫異常、代謝異常、赤血球形成異常など様々な疾患に対する治療に臍帯血が利用されている。臍帯血に含まれるステムセルには多機能のステムセルが含まれ、神経系などにも分化することが明らかになってきている。脳性麻痺の病態動物モデルの一種である低酸素虚血性脳損傷の病態マウスに、ヒト由来の臍帯血を投与すると、行動学的な改善効果があることが複数の施設で報告されている。 これらの報告によると主として臍帯血幹細胞の体内での作用機序は、虚血による脳神経障害を受けた場合に、障害部位からはα、βケモカインが分泌される。この時に臍帯血幹細胞を静脈内投与すると、脳血管関門を通過し損傷部位へ遊走する。次に臍帯血幹細胞由来のCD34陽性細胞が血管新生因子を分泌するとともに、血管内皮細胞に分化増殖し、新しい血管を形成する。次に新生した血管を通じて、障害部位の周囲の損傷した神経細胞へ酸素、栄養素を補給し修復が行われる。同時に臍帯血中の神経前駆細胞、グリア前駆細胞が分化し、神経の再生修復が障害部位で行われる。さらに自己の神経幹細胞が刺激を受け神経細胞に分化し、再生修復されると考えられている。結果として損傷マウスの痙性麻痺、四肢の運動機能に改善が認められるというデータを得た。
 
こうした基礎研究を踏まえて、米国では臍帯血を利用した脳性麻痺の臨床研究が行われている。特にこのテーマに積極的な取り組みをみせているのがDuke大学小児神経科のチームで、米国の民間臍帯血バンク2社に保存された自己臍帯血を利用した臨床研究を2005年から開始し、2010年2月まで200例実施されている。治療開始年齢が生後2週間から8歳と幅広いこと、臍帯血量が20ml程度でも可能なことも特徴である。
 日本では高知大学が臨床研究を実施することを明らかにし、厚生労働省は昨年11月に安全性や有効性を確かめる臨床研究計画を承認し、今年の2月にも対象者を決めると報道されている。


第524回

日時
平成24年4月11日(水)
場所 新居浜市医師会館
症例呈示 「EBウィルス感染を契機に高度蛋白尿を認めた一女児例」 県立新居浜病院小児科 手塚優子
話題提供 「ワクチンの同時接種について」 しおだこどもクリニック 塩田康夫

1.症例呈示

  EBウイルス感染を契機に高度蛋白尿を認めた一女児例

    愛媛県立新居浜病院小児科 手塚優子

 EBウイルス(以下EBV)感染症は日常よくみられる疾患であるが、腎炎やネフローゼレベルの高度蛋白尿を合併した報告は少ない。
 症例は5歳女児。EBV感染の急性期から尿蛋白を認め、浮腫や高血圧、乏尿はなかった。発症10日後に当科を紹介受診。尿蛋白4+、Upro/Cr=2.62、24hr尿蛋白1.3g/日、潜血(-)、β2MG:216μg/l、NAG:28.3U/l、SI=0.01、血沈亢進あり、TP7.3g/dl、ALB2.9g/dl、T.C187mg/dl、腎機能正常、EBV-VCA-IgM:20倍、EBV-VCA-IgG:1280倍、EBNA(-)であった。ACE-Iと抗血小板薬を投与し経過をみたが、蛋白尿が持続し、3ヵ月後に腎生検を施行した。
 組織所見は「minor glomerular abnormalities」で、免疫染色およびISH法にてEBV(LMP、PE2、EBER)は陰性であった。EBV抗体価との関係をみると、EBV-VCA-IgM高値の間尿蛋白は多く、IgM陰性化後尿蛋白は減少した。7ヵ月後からEBNA抗体が陽転化すると、尿蛋白はほぼ陰性化した。尿蛋白が多いときにはsIL-2R高値であった。

 EBV感染によるT細胞の活性化とサイトカインの過剰産生が、蛋白尿出現に関与した可能性が示唆された。

2.話題提供

 ワクチンの同時接種について


   
しおだこどもクリニック 塩田康夫

 わが国は医療先進国と言われているが、ワクチンに関しては圧倒的な後進国となっていた。乳幼児にとって死亡率が高く、重篤な後遺症も残りやすい感染症である細菌性髄膜炎は、国内で年に約1000名がかかるが、60%はヒブ(インフルエンザ菌B型)、20%は肺炎球菌が原因菌といわれている。世界の殆どの国から20年遅れてようやく2008年12月からヒブワクチン、2010年から小児用肺炎球菌ワクチンが接種可能となり、2010年度から全国的に公費助成(定期接種ではまだない)が導入されたこともあり、二つのワクチン接種児は一気に増え、日本でもほかの国では日常的に行われている同時接種が一般的になろうとしていた。
 しかし2011年3月初め、これらのワクチンなどを同時接種した乳幼児が死亡したという報道が相次ぎ、厚生労働省は両ワクチン接種を一時見合わせることを決め、専門家による検討会でワクチン接種と死亡との因果関係を調べた。その結果は「ワクチン同時接種と死亡との因果関係は認められない」「同時接種で重篤な副反応の増加や安全上の懸念は認められない」というものだった。そして4月1日から両ワクチンの接種が再開されたが同時接種にたいする不安はまだ解消されきってはいない。
 アメリカでは1970年代から同時接種が行われており、WHОは1995年ワクチン同時接種を勧告している。全世界のデータからもワクチン接種とSIDSとの因果関係は否定されていて、同時接種の安全性は確立されたものとなっている。
 ワクチンで予防できる感染症(VPD)に対しては、罹る前にワクチンの接種を済ませておかねばならない。ワクチンを1種類ずつ接種していては免疫ができるまでに時間がかかりすぎ、VPDの予防が確実にはできなくなる可能性がある。またロタウイルスワクチンやB型肝炎ワクチンも始まったので、生後2カ月からこれらのワクチンを同時接種することにより適切な月齢までには接種を済ませることが大切である。同時接種を避けたためワクチン接種が遅れVPDに罹るリスクと、同時接種も含めたワクチン接種で重い副反応が起こるリスクを比較すると、前者の方が圧倒的にリスクが高いことは言うまでもない。日本は、諸外国では当然のこととして接種されているワクチンの導入が遅れ、多くの子ども達がVPDに罹ってしまった。これらのワクチンがやっと接種できるようになったのだから、同時接種という方法を活かして乳幼児をVPDから守る必要がある。


第523回

新居浜小児科医会
小泉先生、井上先生、海老原先生、桑原先生送別会
 (平成24年3月14日、於てんふじ)

 平成24年3月14日(水)、小泉先生、井上先生、海老原先生、桑原先生の送別会が、「てんふじ」で開かれました。
 出席者は15名でした。(敬称略)
(前列左から)真鍋豊彦、井上直三、桑原 優、海老原知博 小泉宗光、塩田康夫
(中列左から)加藤文徳、村尾紀久子、山本浩一、松浦章雄、占部智子
(後列左から)星加 晃、藤岡智仁、松浦 聡、矢野喜昭

第522回

日時
平成24年2月8日(水)
場所 新居浜市医師会館
症例呈示 「各医師におけるアトピー性皮膚炎の病勢評価の違いと血液検査での数値的な指標」 住友別子病院小児科 小泉宗光
話題提供 「小児の乳び胸について」 大坪小児科 大坪裕美

1.症例呈示

  各医師におけるアトピー性皮膚炎の病勢評価の違いと血液検査での数値的な指標

    住友別子病院小児科 小泉宗光

アトピー性皮膚炎の治療においては、重症度を正確に把握することが治療の選択、薬効評価に重要である。臨床の場で重症度の評価を行う手段として世界的にはSeverity Scoring of Atopic Dermatitis(SCORAD)が頻用されているが、算定方法が煩雑であり診療する医師によって差が生じる。他に数値的な重症度の評価方法として血清Thymus and activation-regulated chemokine(以下TARC)値の有用性が期待されている。
 アトピー性皮膚炎と診断された乳児7名(生後3~8カ月)に対して小児診療に従事している医師5名のつけたSORADと血液検査での数値的な指標であるTARC、IgE、好酸球、LDHについて検討した。
 各医師のつけたSCORADには、ばらつきが認められた。各医師のつけたSCORADとTARCの関係を検討したところ、経験年数の多い医師ほど相関する傾向があり、アレルギー専門医では有意に相関した。各医師の評価したSCORADとIgE、 LDH、好酸球数に相関は認めなかった。
SCORADは評価する医師によって差が生じたがTARCは経験の多い医師やアレルギー 専門医の評価したSCORADと相関し客観的な重症度の評価方法として診療に有用であると考えられた。

2.話題提供

  小児の乳び胸について

    大坪小児科 大坪 裕美

 小児の乳び胸の原因としては先天異常、胸部手術、外傷、悪性腫瘍などが挙げられる。これらのうち先天性乳び胸は稀で、新生児期で最も多く治療法は確立してはおらず、死亡する例も少なくない。
 先天性乳び胸は妊娠10,00015,000に一例の頻度で発生し、男女比は2:1。特発性は1421%と報告され(2009年)大部分が先天性である。新生児期の原因の多くは先天性とされている。
 乳び胸の治療はまず保存的(MCTミルク又はTPN)に行われ、80%は治癒可能とされるが、先天性のものは50%で外科的治療が必要であったとの報告もある。(2002年)
 MCTミルクは中鎖脂肪酸トリグリセライドを主たる脂肪成分として組成されたミルクで、リンパ管を経由せずに直接門脈系の吸収される特徴があることから、乳びの産生抑制が期待される。保存的治療で改善しない時の治療法としては、胸膜癒着を期待する薬物治療として、ソマトスタチンのアナログ製剤であるオクトレオチド静脈内投与や、ステロイド薬(どちらも2009年までで7~8例)、OK-432やフィブリン製剤などがある。これらの治療で効果が得られないときは、外科的治療が考慮される。難治性乳び胸に対する外科的治療には、胸管結紮術、胸膜癒着術が行われている。結紮術などは侵襲が大きくなることや、胸膜自身および漏出部位の同定が困難である。


第521回

日時
平成24年1月11日(水)
場所 新居浜市医師会館
症例呈示 「炎症性偽腫瘍の1例」 県立新居浜病院小児科 海老原知博
話題提供 「未承認ポリオワクチンをめぐる問題」 マナベ小児科 真鍋豊彦

1.症例呈示

   炎症性繊維芽細胞腫瘍の
1


      愛媛県立新居浜病院小児科 海老原知博

症例は13歳男児。平成2341日に発熱、感冒様症状、腹痛を認めるため当院を紹介受診した。
 入院時の腹痛は軽度であり、特定の部位は判然とせず、腹部レントゲン写真では明らかな異常所見を認めなかった。
WBC:8000/μlCRP:13.22mg/dl、マイコプラズマ抗体迅速検査(イムノカード)陽性であるためMINOにて治療を開始した。時折右下腹部痛を認めるため急性虫垂炎を疑いCTXを追加したが、解熱しなかった。造影CTにて全身検索を行ったところ右側腹部に腫瘤を認めたため、5日に愛媛大学医学部附属病院へ精査加療目的にて転院した。マイコプラズマ抗体(PA)NSE、β-Dグルカン、エンドトキシン、プロカルシトニンはいずれも正常範囲内であった。
 転院後、造影
CT、造影MRIにて後腹膜由来の嚢胞変性を伴う神経原性腫瘍や炎症性病変が疑われた。TAZ/PIPCCTRXMEPMVCMが投与されるも解熱せず、内科的治療では炎症所見の改善がとぼしいことから12日に外科転科となり、18日に右後腹膜腫瘍摘出術が施行された。病理所見から炎症性線維芽細胞腫瘍が示唆された。術後は速やかに解熱し、以後再発は認めていない。
 小児軟部腫瘍は小児期に発症する腫瘍の中でも非常に稀であり、日本小児がん全国登録委員会2005年登録症例のうち2.2%を占めるに過ぎない。
 軟部腫瘍の診断には
2002年に改定された新WHO分類が用いられるが、炎症性線維芽細胞腫瘍は中間群(境界型悪性群)に分類される。1537%程度の局所再発率があり、数%程度の致死率とされる。再発までの期間は1年以内が多いとされるが、3ヵ月~7年という報告もある。腫瘍切除後、早期から頻回に長期間の経過観察が必要になる。しかし、特異的な腫瘍マーカーはなく、再発時にはCRP上昇を認めるが、著明な高値ではなく特異性も低いため、指標には向かない。
 また、腫瘍による特異的な症状は報告されておらず、占拠病変による症状、発熱、体重減少、軽度の貧血などを認めるにすぎないため、定期的な診察、画像検査を行う以外に有用な方法がない。手術による完全切除が唯一の効果的な治療法とされている一方で、完全切除が困難である症例、再発症例に対する治療法については明確な見解は得られていない。

2.話題提供

   未承認ポリオワクチンをめぐる話題


       マナベ小児科 真鍋 豊彦

 わが国では、経口生ポリオワクチン(生ワク)定期接種により、1980年(昭和55年)年を最後に野生株ウィルスポリオは消失した。しかしながら、ワクチン株ウィルス感染による麻痺性ポリオは少数例(100万接種あたり約1.4人)ながら発症し、より安全な不活化ポリオワクチン(不活化ワクチン)導入が待たれている。
 米国は2000年(平成12年)に生ワクを中止、不活化ワクチンに切り替え、それに倣って生ワクを使用していた多くの先進国は不活化ワクチンに切り替えた。
 わが国の(*)不活化ワクチン導入は、平成25年1月~3月(早ければ24年秋)と報道されているが、最近2年間、生ワクの定期接種者数が全国的に減少している。これは生ワクによる健康被害を恐れる“定期接種控え現象”と考えられ、これを憂慮した神奈川県は薬事法上未承認の不活化ワクチンを独自輸入し、昨年12月15日から希望者に有料で接種しはじめた。
 1960年(昭和35年)、日本では未曾有のポリオ大流行があり、乳幼児を持つ家庭はもとより、社会全体がポリオパニックに陥った。
 再び大流行の兆しが見えはじめた翌昭和36年6月、古井喜実厚生大臣が超法規的措置として、旧ソ連とカナダから生ワク1300万人分を緊急輸入し、7月下旬から8月末までのわずか1ヶ月間に、生後3ヶ月~5歳児を対象に全国一斉に接種した。その効果はまさに劇的で、猖獗を極めたポリオは激減した。
 野生株ポリオを診た最後の年代の医師の一人として、往時を振返りながら、ポリオの歴史、ポリオワクチン開発の歴史などについて、ネットで集めた資料を中心に話題提供した。
 その中で、元NHK社会部記者(その後国会議員として活躍)上田 哲氏の著作「根絶」などを紹介した。「根絶」は、記者の目で見た昭和35、36年のポリオ大流行時の現場記録である。学術書ではないが、温故知新、医学生はもとより、現代に生きる医師全員にお読みいただきたい。
 絶版になっているが、ネット上に公開されており、全文を読むことができる。
 URL http://www.geocities.jp/hokukaido/konzetu/ 
(*)4種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日せき混合ワクチン+不活化ポリオ)が昨年12月末に薬品メーカー1社から薬事申請された。


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