第578回新居浜小児科医会
日時 |
平成30年10月10日(水)
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場所 | 新居浜市医師会館 | ・ | ・ | |||
症例提示 | 「愛媛県新居浜市の保育園幼稚園における食物アレルギー対応についての変遷と今後の課題」 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 浅見 経之 | |||
症例提示 | 「低身長の鑑別診断には早期空腹時の亜鉛値を用いるべきである」 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 山根 淳文 |
第577回新居浜小児科医会
日時 |
平成30年9月12日(水)
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場所 | 新居浜市医師会館 | ・ | ・ | |||
症例提示 | 「日本紅斑熱の3例~日常診療で遭遇するダニ媒介疾患~」 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 山根 淳文 | |||
症例提示 | 「当院救急外来を受診した小児の外科的疾患の現状」 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 手塚 優子 |
第576回
新居浜小児科医会
夏季懇親会
(30年7月11日、於旬花酒灯てんふじ)
平成30年7月11日(水)に夏季懇親会が「旬花酒灯てんふじ」で開かれました。 出席者は5名でした。(敬称略) (前列左から)牧野 景、松浦章雄、山本浩一 (後列左から)真鍋豊彦、加藤文徳 |
銅山峰一巡(平成30年5月20日)
5月20日(日)、新居浜小児科医会有志が旧別子・銅山峰一巡を楽しんだ。参加者は、松浦章雄、加藤文徳、県立新居浜病院大藤佳子、手塚優子夫妻、真鍋豊彦の6名。7時30分山根公園駐車場集合、2台の車で日浦登山口に。駐車場は満杯、少し道を下った路肩に駐車。8時20分登山開始、快晴に恵まれルンルン気分、ダイヤモンド水9時20分、東延斜坑分岐10時30分、ウロウロ、歓喜坑10時35分、銅山越11時10分、展望を存分に楽しむ。たまたま居合わせ女性に集合写真を撮って貰った。下山は蘭塔婆経由で。蘭塔婆12時35分、ダイヤモンド水13時15分、日浦登山口14時着。
日時 |
平成30年4月11日(水)
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場所 | 新居浜市医師会館 | ・ | ・ | |||
症例提示 | 「精神疾患合併妊婦への育児支援の必要性~当院の事例を通して~」 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 鎌田 ゆきえ | |||
話題提供 | 「愛媛県における乳児およびCPA症例の救急搬送の実態について」 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 田代 良 |
第574回
新居浜小児科医会
送別会
(30年3月14日、於常富寿司)
平成30年3月14日(水)に愛媛県立新居浜病院の福田光正先生と西村幸士先生の送別会が「常富寿司」で開かれました。 出席者は10名でした。(敬称略) (前列左から)大藤佳子、西村幸士、福田光成、手塚優子 (後列左から)真鍋豊彦、山本浩一、松浦章雄、鎌田ゆきえ、田代 良、加藤文徳 |
第573回新居浜小児科医会
日時 |
平成30年2月14日(水)
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場所 | 新居浜市医師会館 | ・ | ・ | |||
症例提示 | コエンザイムQ10で加療しているADCK4遺伝子異常による巣状分節状糸球体硬化症の4歳女児例 | 愛媛県立新居浜病院小児科 | 手塚優子 | |||
話題提供 | インフルエンザワクチンの有効性 |
高橋こどもクリニック | 高橋 貢 |
1.症例呈示
コエンザイムQ10で加療しているADCK4遺伝子異常による巣状分節状糸球体硬化症の4歳女児例
愛媛県立新居浜病院小児科 手塚優子
ADCK4遺伝子はコエンザイムQ10(CoQ10)の生合成に関わる遺伝子のひとつであり、その異常によりステロイド抵抗性ネフローゼ症候群(SRNS)を発症する。腎外症状がほとんどなく、巣状分節状糸球体硬化症(FSGS)や全節性硬化所見がみられ、ステロイドや免疫抑制剤の治療効果は乏しく、腎機能障害が進行し平均16.1歳で腎代替療法を要するとされる。
症例は4歳女児。周生期歴、既往歴に特記事項なく、腎不全や検尿異常の家族歴はない。2016年10月感冒時の検尿で蛋白尿を初めて指摘された。低アルブミン血症や腎機能障害はなく、高度蛋白尿(Upro/Cr=3.5~6.0)が持続するため、当科を紹介された。腎生検では56個の糸球体のうちglobal sclerosisを2個、虚脱2個、segmental
sclerosis 1個、間質に斑状の線維化を認め、FSGSと診断した。ネフローゼを伴っておらず、ACE阻害剤を開始したが蛋白尿が持続し、2017年1月からmPSL-pulse 3kur、PSL
1mg隔日後療法を行い、Upro/Crは2前後となった。さらにCy-Aを追加し、Upro/Crは0.3台へ改善した。
同年2月遺伝子解析にて、ADCK4遺伝子に複合ヘテロ・ミスセンス変異(p.Ser246Asn, p.Arg178Trp)が判明した。いずれも疾患との関連性が報告されている変異であった。両親の解析で、父がp.Arg178Trp、母がp.Ser246Asnの保因者であった。遺伝子異常によるFSGSと確定後、PSLを漸減中止し、その後Cy-Aも中止した。愛媛大学の倫理委員会の承認を得て、CoQ10を7.5mg/kg/日で開始し、維持量を15mg/kg/日とした。開始前のACE-I中止により、Upro/Crが1.9と増加したが、CoQ10開始1.5ヵ月後に0.58まで低下した。投与開始後4カ月の時点で、Upro/Cr=0.5~0.7で推移しており、ACE-Iを再開した。現在、コエンザイムQ10とACE-Iの併用で、Upro/Cr=0.2~0.5台となり、腎機能障害は認めていない。また、治療による副作用もみられていない。
ADCK4遺伝子異常による腎症は2013年に初めて病因として報告されたものであり、長期予後など不明な点も多い。SRNSを呈するとされるが、本症例のようにNSに至っていない例もある。本症例で「ミトコンドリア病を疑う所見がないか」を検討したが、血中乳酸/ピルビン酸比(L/P)が22.5と基準値である20をわずかに超えているものの、有意な上昇とはいえなかった。コエンザイムQ10濃度、とくに還元型比率の低下(16.6%:平均80-90%)はみられたが、この検査は保険外検査であり、日常的に行える検査でもない。また近年、ミトコンドリア疾患との関連が報告されているFGF21やGDF15などのマーカーも正常であった。本疾患は腎症状以外の全身症状が乏しいため、診断確定には遺伝子検査が必要となってくる。ネフローゼを呈さないような非典型的なFSGSをみた場合に、遺伝子異常に伴うFSGSを念頭に置き、遺伝子検査を行うことが大切であると再認識した。
本症例のように低年齢で診断が確定し、ステロイドや免疫抑制剤を最小限にして、早期からCoQ10を開始できた場合、腎機能障害の進展を抑えうる可能性があり、今後の長期経過を注意して追っていきたい。
(謝辞)
遺伝子検査を行っていただきました神戸大学小児科 野津寛大先生、FGF21、GDF15の測定を行って頂きました久留米大学小児科 八ツ賀秀一先生、古賀靖敏先生に深謝申し上げます。
2.話題提供
インフルエンザワクチンの有効性
高橋こどもクリニック 高橋 貢
インフエンザワクチンの有効性については議論があり、特に小児における有効性については、疑問を呈する意見もある。統計学的に検討し、有効であるとする報告は多数存在するものの、その有効性は高いものとは言えない。
目的
当院における 2015-2016年シーズンおよび2016-2017年シーズンのインフルエンザ症例について、インフルエンザワクチンの有効性を検討する。
対象および方法
対象は2016-2017年シーズンおよび2015-2016年シーズンにインフルエンザ様症状を呈し、当院を受診し迅速検査を施行した1132件(1099例)および1438件(1400例)
(3日以内に2回検査し陰性から陽性判定された件数はそれぞれ、33件および38件であった。)また、2016-2017年シーズンではB型が少数であったため、A型のみを対象とした。
方法は
1)接種群と非接種群の発病率の比較および
2)診断陰性例コントロール研究(test-negative case-control design)を用いて
結果
1)接種群と非接種群の発病率の比較
①2016-17(H28-29)年シーズンではA型は30%の有効率
②2015-16(H27-28)年シーズンではA型は50%、B型は17%の有効率
2)診断陰性例コントロール研究(test-negative case-control design)
①2016-17(H28-29)年シーズンでは52%(A型)の有効率
②2015-16(H27-28)年シーズンでは45%(A、B型)の有効率
考察
今回の調査では、インフルエンザワクチンの有効性は30-50%であり、他の報告とほぼ同様であった。『非接種者で発病した者の30-50%は、接種をしていれば発病が避けられた』と結論された。