私のスクラップ帳から
その29
「NPO法人 禁煙推進の会えひめ」
旧「NPO法人 禁煙推進の会えひめ
タバコ会社が自ら「健康への害」を大々的にキャンペーン
タバコ会社が自ら「健康への害」を大々的にキャンペーン
だが、今回は商品の売り込みではなく、ネガティブなキャンペーンを会社自身がやるわけだ。テレビのCMは週に5回、1年間(52週)、新聞広告は50州で数ヵ月間に5回掲載される。
タバコ会社は控訴したが米国控訴裁判所(United States Courts of Appeals)は訴えを棄却し、タバコ会社の責任を認める。だが、その後にタバコ規制当局が食品医薬品局(FDA)になったため、タバコ会社は2006年の司法判断は無効と主張。この悪足掻きに対しても2011年にワシントンDCの地方裁判所が棄却した。内容の摺り合わせに10年以上がかけられた結果、タバコ会社はケスラー判事の勧告を受け入れ、今回のネガティブ・キャンペーンになった、というわけだ。
テレビCMや新聞広告などの費用は、全てフィリップ・モリス・インターナショナルの親会社アルトリア(Altria)グループとブリティッシュ・アメリカン・タバコの米国部門R.J.レイノルズ(Reynolds)タバコ・カンパニーが持つ。表明しなければならない主な項目は以下の通りだ。
・喫煙は、殺人やエイズ、自殺、薬物、自動車事故、アルコールなどの全ての死者を合わせたよりも多くの人を殺している。
・喫煙は、ニコチンの中毒性により習慣化する。
・アルトリア、R.J.レイノルズ、ロリラード・タバコ・カンパニー、フィリップ・モリス・インターナショナルは、タバコの中毒性を増すための意図的な広告をしてきた。
・すべてのタバコは、がん、肺疾患、心臓疾患、などの原因になり、「ライト」や「ロータール」などの表示に意味はない。 受動喫煙は、非喫煙者に肺がんや心血管疾患を引き起こし、乳幼児突然死症候群の原因となり、急性呼吸器感染症、中耳炎、喘息、肺機能低下を引き起こすリスクを高める。
・さらされる受動喫煙に安全なレベルはない。
ようするに、長年にわたって嘘をついてきたタバコ会社に対するペナルティということになるが、米国でタバコ会社は宣伝費用に年間約8900億円(約80億ドル)も出しているとされ、今回のキャンペーンにかかる費用はタバコ会社が得ている利益に比べればごくわずか(数十億円:数千万ドル程度)だ。費用的には痛痒を感じないレベルだが、タバコに対するネガティブな印象を喚起する効果は大きいだろう。
一方、日本のJTは、上記のように米国のタバコ会社がはっきり確認している受動喫煙の害を認めていない。また、日本では未だにテレビでJTなどのタバコ会社がCMをうっている。
日本も加盟するWHO FCTC(WHO Framework Convention on Tobacco Control、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約)では、こうしたタバコ会社の宣伝行為を禁じているが、受動喫煙防止対策強化がなかなか進まないように日本はタバコ規制に対して消極的と言われる。それはテレビや新聞・雑誌などのマスメディア、広告会社にタバコ会社から莫大な広告料が支払われていることと無縁ではない。(平成29年12月)-YAHOOニュースから
<受動喫煙>日本の対策「最低ランク」 英医学誌が警鐘
<受動喫煙>日本の対策「最低ランク」 英医学誌が警鐘
「日本は受動喫煙を巡る闘いに負けつつあるのか?」--。世界
論説では、世界55カ国が公共の場での屋内全面禁煙を法制化し
受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正は厚生労働省と自民党
筆者の一人の津川友介・カリフォルニア大ロサンゼルス校助教
都の受動喫煙防止条例が成立 18年4月、国に先行
東京都議会で5日、小池百合子知事が実質的に率いる地域政党「都民ファーストの会」と公明党が共同提出した「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が賛成多数で可決、成立した。家庭内での受動喫煙防止が柱で、施行は来年4月。国に先行して受動喫煙対策に取り組むことで、改革姿勢を示す狙いもありそうだ。
受動喫煙防止条例で定められた努力義務
家庭で子供と同じ部屋で喫煙しない
受動喫煙の対策を講じていない施設、喫煙専用室に子供を立ち入らせない
子供が同乗する自動車内で喫煙しない
公園や学校周辺の路上などで子供の受動喫煙防止に努める
条例は「子供は自らの意思で受動喫煙を避けることが困難で、保護の必要性が高い」と明記。保護者に対し、子供がいる室内や車内で喫煙しないことや、分煙が不十分な飲食店などに立ち入らせないことなどを求めた。いずれも努力義務で、罰則規定はない。
私的な生活空間に踏み込む内容に、条例が審議された都議会厚生委員会では「家庭内の規制は慎重にすべきだ」との意見も出た。
都は今回の条例とは別に、飲食店などの屋内を原則禁煙として、罰則を設ける条例を制定する方針。来年2~3月の都議会に提出される見込みだ。小池氏は今定例会の所信表明演説で「都民の健康を確保する観点から、受動喫煙防止対策をより一層推進しなくてはならない」とした。
受動喫煙を巡っては国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」を目指していることから、都や国は2020年東京五輪・パラリンピックの開催までの対応を目指している。(平成29年10月)-日本経済新聞から
受動喫煙の目標値盛り込まず閣議決定へ がん対策計画案
国のがん施策を示す「第3期がん対策推進基本計画案」が、受動喫煙に関する目標値を盛り込まないまま閣議決定される見通しとなった。厚生労働省が27日、公明党厚労部会に計画案を提示し、了承された。受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案がまとまれば、内容を踏まえて追加する方針という。
基本計画は2017~22年度のがん対策の指針。がんゲノム医療の推進やがん予防の充実などを含む。これをもとに都道府県は、目標達成のための計画を作らなければならない。受動喫煙対策部分以外は、6月にまとまっていた。
受動喫煙対策について、第2期がん計画は「行政機関と医療機関は22年度、職場は20年度までにゼロ。飲食店は22年度までに15%」としている。3期の計画を検討したがん患者や識者でつくる「がん対策推進協議会」は6月、東京五輪・パラリンピックのある20年までに「飲食店や職場、家庭など全ての場所でゼロ」とする新目標を盛り込む方針で一致していた。
だが健康増進法の改正案が先の通常国会で自民党との調整がつかず、まとまらなかった。このため受動喫煙部分の内容が決まらず、今夏を目標としていたがん計画の閣議決定も遅れていた。これ以上遅れると、都道府県の計画づくりに支障が出るとして、決めた。厚労省は近く、パブリックコメントを実施して、意見を募る。(平成29年9月)ー朝日新聞から
受動喫煙対策進めるには 大阪国際がんセンター がん対策センター特別研究員 大島明氏
一歩ずつでも前進を
たばこを吸わない人の健康を害する受動喫煙の対策を強化する健康増進法改正案=1=の議論が止まり、2020年東京五輪・パラリンピックに向けた対策の遅れが心配されている。30年にわたってたばこ対策を先導してきた大阪国際がんセンターの大島明・がん対策センター特別研究員(75)に、日本で対策が進まない背景と、実施のために必要な条件を聞いた。【聞き手・永山悦子】
--厚生労働省は受動喫煙対策法案の国会提出を目指しましたが、できませんでした。
世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)が提唱する「スモークフリー(煙のない)」の東京五輪・パラリンピックを実現するために良いタイミングであり、塩崎恭久前厚労相も熱心に取り組んでいました。自民党の反発に対して、厚労省側も一定期間は小規模飲食店で店舗表示などを条件に喫煙を認める譲歩までしていたので、「今度こそは」と期待していました。それだけに非常に残念な結果です。
--なぜ、まとまらなかったのでしょうか。
「自民党たばこ族(自民党のたばこ規制慎重派)」だけが原因のように言われていますが、間違いです。霞が関の中央省庁で屋内全面禁煙にしているのは厚労省が入る1棟のみで、他の庁舎は屋内に喫煙室があります。一方、地方自治体では屋内禁煙が進み、都道府県庁では7割以上が実現しています。地方にできて中央ができないのは「やる気がない」としか言いようがありません。法律がなくてもできることに、「法律がないから」と言い訳をして逃げる中央省庁の姿勢は不思議です。
日本のたばこ対策は、葉タバコ生産やたばこ製造・販売などについて規定した「たばこ事業法」やたばこ税の存在という進めにくい土壌があります。受動喫煙防止のための法的規制は神奈川県と兵庫県の条例ぐらいしかありません。禁煙を強く主張できる人なら家庭でも職場でも自力でたばこの煙を避けることもできますが、飲食店の従業員など立場の弱い人は難しい。そういう人たちを守るために法律が必要なのです。
--受動喫煙の健康への影響は科学的に明確になっており、過去の五輪開催国は屋内禁煙対策を実施しています。日本で強い抵抗があるのはなぜでしょうか。
受動喫煙の害は、平山雄氏(当時国立がんセンター疫学部長)が1981年に発表した「夫の喫煙によって喫煙しない妻の肺がん死亡のリスクが上がる」という論文によって、世界で初めて明らかになりました。日本発の研究が世界の受動喫煙対策につながったのです。一方、日本の禁煙対策は世界と異なる歩み方をしました。日本の禁煙対策は屋外(路上)から始まりました。後から屋内へ広げることになり、喫煙者の「吸うところがなくなる」という反発を招きました。屋内と屋外のどちらの対策が重要かといえば、閉じた空間の屋内です。屋内も屋外も禁煙にすることが理想的ですが、喫煙者への一定の配慮は必要です。「ゼロか1か」では対策は進みません。屋外の喫煙場所の確保も検討すべきだと考えます。
--喫煙者は減ってきてはいますが、禁煙指導の充実も重要なのではないですか。
そうです。多くの喫煙者は「やめたくてもやめられない」のです。私は87年、大阪府が作った「大阪がん予防検診センター」に配属され、全国でも先進的なたばこ対策などを担うがん予防のポストに就きました。当時は禁煙指導が中心で、禁煙治療を保険適用にするために走り回りました。04年に日本が「たばこ規制枠組み条約」=2=を批准し、06年度から公的医療保険を使った禁煙治療が可能になりました。
禁煙外来で多くの喫煙者に向き合ってきましたが、外来まで足を運ぶ人は喫煙者の一部です。多くの人は自力で禁煙しようとしています。外来へ来ても禁煙に成功する人は3割程度。日本禁煙推進医師歯科医師連盟は禁煙指導者のトレーニングプログラムを作り、その普及を今も続けています。
さらに大切なことは、たばこ税の値上げです。10年のたばこ税値上げによって喫煙率が大幅に下がりましたが、その後は横ばいです。日本のたばこの価格は世界でもまだ安い。東京五輪前にたばこ税を上げ、その税収を五輪に使うことにすれば、たばこをやめたい人はやめる理由になり、たばこ店は売り上げが伸び、国も税収を増やすことができて、皆が「ハッピー」になるのではないでしょうか。
--今回頓挫した法律についてはこれからどのように議論していくべきでしょうか。
WHOが7月に発表した世界のたばこ状況報告書によると、日本のたばこ規制は公共的な場所の禁煙やたばこの害の警告が不十分であるなど、世界から大きく遅れています。しかし、塩崎氏が厚労相を交代したため、たばこ規制に消極的な自民党たばこ族の主張通りになる可能性もあります。
私は今、東京都の条例制定に期待しています。7月の都議選で第1党になった「都民ファーストの会」は公約に受動喫煙対策を盛り込み、小池百合子都知事も前向きです。都は舛添要一知事時代に条例制定を目指しましたが、強い反発を受けて断念し、「国が決めるべきことだ」と厚労省に丸投げしました。しかし、国はできなかった。小池知事が条例で公共施設や飲食店の屋内原則禁煙を実現すれば、その規制は霞が関の中央官庁や国会にも及びます。中央官庁や都内の飲食店に屋内禁煙を守らせられれば、「全国でもできる」という流れができると思います。
--できることから始めるということですね。
はい。分煙をまったく認めないよりも、厳しい基準をクリアした分煙設備の整備を条件に分煙を認めるなど、現状を少しでも変えていくことも大切です。多少の妥協をしたとしても現実論で取り組み、前進を目指すべきです。たばこ対策に取り組み始めて30年。喫煙率がもっと減り、肺がんになる人、そして亡くなる人が減るのを私の目が黒いうちに見たいと願っています。
聞いて一言
厚労省の当初案を聞いたとき、「生ぬるい」と感じた。飲食店で屋内原則禁煙としながら喫煙室の設置を認めていたためだ。しかし、たばこ政策を長年見てきた大島さんによると、理想論だけでは対策は進まないのだという。それでも世界最低レベルとされる現状は変えねばならない。受動喫煙で年間1万5000人が亡くなるという。たばこの「害」を社会が共有し、小さな一歩でいいので踏み出してほしい。タクシーや電車の禁煙が実現したように不可能ではないはずだ。
■ことば
1 健康増進法改正案
健康増進法は国民の健康維持と病気予防を目指す法律。2012年に施行された。公共の場の受動喫煙防止に努めることを求める条文がある。厚労省の改正案には、小規模なバーなどを除く飲食店を原則禁煙とし、罰則も盛り込まれる予定だったが、自民党が反発。国会提出に至らなかった。
2 たばこ規制枠組み条約
喫煙が健康や社会、経済に及ぼす悪影響から人々を守るため、たばこの消費削減や受動喫煙による健康被害の解消を目指す条約。屋内禁煙▽たばこの広告の禁止▽価格や課税によって需要を減らす対策▽健康被害の警告表示の強化▽禁煙治療の普及--などが盛り込まれている。2003年のWHO総会で採択され、05年に発効した。
(平成29年8月)-毎日新聞から
加藤厚労大臣に受動喫煙防止対策強化を求める要望書提出―四師会
横倉義武会長は8月10日、堀憲郎日本歯科医師会長、山本信夫日本薬剤師会長、福井トシ子日本看護協会長、羽生田俊参議院議員と厚生労働省を訪れ、加藤勝信厚労大臣に「受動喫煙の防止・強化を実現するための署名活動」で集められた署名の一部と共に、要望書「例外規定のない受動喫煙防止対策の強化・実現について」を提出した。今回の要望書は署名活動の結果を踏まえて、望まない受動喫煙をなくすため、受動喫煙防止対策を強化するための法律案の次期国会での成立を早急に実現することを政府に強く求めるために取りまとめられたものである。
横倉会長は、5月より実施していた「受動喫煙の防止・強化を実現するための署名活動」において264万3023筆の署名が集まったことを報告するとともに、1.たばこは脳卒中や虚血性心疾患などの循環器疾患や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患等、多くの疾患の要因となっていることは科学的に証明され、喫煙が原因とされる死亡者数は年間13万人と推計されていること2.受動喫煙により、年間1万5000人が、がん等で亡くなっていること-など、たばこの害について改めて指摘。「多くの国民の声を踏まえ、ぜひ、受動喫煙防止対策の強化を進めて欲しい」と述べた。
これに対して、加藤厚労大臣は、「260万を超える今回の署名活動の結果を、重く受け止めている」とした上で、「望まない受動喫煙をなくすということに関しては、多くの人達のコンセンサスが得られていると思う。安倍晋三内閣総理大臣からも東京オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙対策を徹底するため、必要な法案を国会に提出するよう指示を受けており、関係者の方達の話も聞きながら、できるだけ早期に法案をまとめ、国会に提出したい」との考えを示した。
(平成29年8月)-日医白クマ通信から
受動喫煙対策求め署名9万人分提出 日本禁煙学会など
受動喫煙対策求め署名9万人分提出 日本禁煙学会など
受動喫煙対策を強化する法案の早期成立を求めようと、日本禁煙学会や日本肺がん患者連絡会などが4日、塩崎恭久厚生労働相宛てに9万4595人分の署名を提出した。
署名は、3月下旬~5月下旬に書面やネットで集めた。「受動喫煙の規制に面積基準や事業主による喫煙、分煙などの別を設けることに反対する」などとして例外なき規制を求めている。会見した同学会の作田学理事長は「通常国会で政治的に妥協した案で成立しなくてよかった。8割の非喫煙者の思いをくみとり、塩崎大臣に引き続き頑張ってもらいたい」と話した。
受動喫煙対策を強化する法案をめぐっては、厚労省と自民党が飲食店の規制で折り合えず、秋の臨時国会に先送りされた。(平成29年7月)-朝日新聞から
たばこ産業の助成受けた論文はNO! 学会で動き相次ぐ
たばこ産業の助成受けた論文はNO! 学会で動き相次ぐ
たばこ産業からお金を受け取って研究した論文や学たばこ産業からお金を受け取って研究した論文や学会発表は受け付けません――。医学系の学会で、こんな規定を盛り込む動きが相次いでいる。たばこの健康影響の大きさを踏まえ、研究が業界に干渉されるのを防ぐ狙い。特定の団体からの研究助成を認めないとする学会の動きは異例だ。
病気の原因を探る研究を扱う日本疫学会は今年3月、「たばこ産業から資金提供を受けた投稿や発表は受け付けない」との項目を規定に追加した。「たばこ産業が学術活動を装い、健康被害に関する誤った認識を広めてきた」と問題視した。
日本たばこ産業(JT)や、JTから寄付金を受ける喫煙科学研究財団などが対象になるという。日本公衆衛生学会、日本癌(がん)学会も昨年、同様の改訂をした。
JT広報は朝日新聞の取材に「スタンスの違い。学会の動きに干渉や批判をする立場にない」と回答した。
医学系の学会を束ねる日本医学会は2011年、学会や論文の発表時には資金提供を受けた企業名を明らかにするよう求める指針を作った。ただし産業界との連携が研究に必要な面もあるため、一律に資金提供の禁止はしていない。
禁煙推進学術ネットワークの藤原久義理事長は「業界から資金提供を受けるとバイアスがかかりかねない。こうした動きの広まりを期待する」と話す。(平成29年6月)-朝日新聞から
ベランダ喫煙で慰謝料
ベランダ喫煙で慰謝料
集合住宅では自分の部屋のベランダでたばこを吸っていても、隣近所の居住者の受動喫煙につながる。かつては家族に嫌がられて外で吸わざるを得ないと同情を誘っていた「ホタル族」。最近は迷惑行為として批判の対象に変わった。
今月、近隣住民のベランダからのたばこの煙に苦しむ約300人が「近隣住宅受動喫煙被害者の会」を設立、ベランダ喫煙の法規制を求めている。顧問弁護士の岡本光樹さんは「10年以上相談を受けているが、最近増えている」という。管理組合の規約でベランダを含む共用部分が禁煙のマンションも増えてきている。
12年には階下の男性の喫煙で体調を崩したとして女性が訴訟を起こし、名古屋地裁は男性に慰謝料の支払いを命じた。岡本さんは「規約で禁煙が明記されていなくても苦しむ人がいると知りながら喫煙を続ければ、不法行為を問えるとの判断が示された」という。米国では来年8月には、公営住宅で居室部分も含めて完全禁煙になる。たばこを吸うには建物などから25フィート(約7・6メートル)以上離れる必要がある。すでに約23万戸は禁煙になっており、さらに約100万戸に適用される。(平成29年5月)-朝日新聞ニュースから
小池都知事「屋内禁煙」条例検討
小池知事は「分煙では不十分で『屋内禁煙』を原則としていく」、「『都民ファーストの会』としての案は、基本的に厚労省案に近い」と述べた。
東京都の小池知事は、BSフジのプライムニュースに出演し、受動喫煙対策として、公共施設や、飲食店の屋内を原則禁煙とする、都独自の条例制定を検討していることを明らかにした。7月の都議会議員選挙に向けて、小池知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」の公約に盛り込む方針。受動喫煙対策をめぐっては、厚生労働省が「飲食店は、屋内禁煙」を原則とする案を示したが、自民党は、小規模な飲食店は「喫煙」や「分煙」を表示すれば、喫煙を認める対案をまとめていて、双方の溝は埋まっていない。(平成29年5月)-Yahooニュースから
受動喫煙で病気、かかる医療費は3千億円超 厚労省推計
たばこを吸わない人が受動喫煙によって肺がんや脳卒中などにかかり、余計にかかる医療費が2014年度1年間で3233億円に上るという推計を厚生労働省研究班(研究代表者、中村正和・地域医療振興協会ヘルスプロモーション研究センター長)がまとめた。
研究班は、昨年9月に公表された「たばこ白書」で、たばこと病気の因果関係が十分と推定された肺がん、脳卒中、心筋梗塞(こうそく)や狭心症などの虚血性心疾患にかかる医療費を推計した。
配偶者からと職場での受動喫煙を考慮し、40歳以上の患者数や喫煙の有無による病気のなりやすさの違いなどをもとに計算した。受動喫煙によって肺がんにかかるのは約1万1千人で335・5億円、脳卒中は約12万9千人で1941・8億円、虚血性心疾患が約10万1千人で955・7億円に上った。(平成29年5月)-Yahooニュースから
医療機関は完全禁煙を
医療機関は完全禁煙を
世界保健機関(WHO)でたばこ規制を主導する、来日中のダグラス・ベッチャー生活習慣病予防部長は4月7日、建物内に喫煙室を設置することによる受動喫煙防止について「実効性に乏しい」と否定的な見解を示した上で、医療機関など「公共の場では完全に禁煙とすべき」と強調した。厚生労働省内でメディファクスの単独取材に応じた。
厚労省が3月に示した案では、原則として医療機関を「敷地内禁煙」、飲食店を「屋内禁煙」とする一方、既存の喫煙専用室については「施行後5年間、一定の基準を満たすものの存置を認める」という規定が盛り込まれた。
喫煙室の効果についてベッチャー氏は「受動喫煙の害の最大化を避けることにしかならない。喫煙室がいくら優れた換気設備を備えようとも、受動喫煙の防止にはならない」と指摘。屋内に喫煙室を設けることは、受動喫煙防止対策として不十分とした。また医療機関や飲食店など公共の場は、完全禁煙にすべきだと強調。2014年現在で、欧州諸国だけでなくアフリカなどの発展途上国を含む49カ国で公共の場での禁煙化が進んでいることを念頭に「科学的、経済的に最も発展した国家の一つである日本で、同様のことができないはずはない」と日本の対策強化を強く促した。
精神病棟や終末期医療の現場での喫煙についても「そこで働く医療者側の受動喫煙にも配慮しなければならない」と述べ、疾患領域を問わず禁煙化すべきだと訴えた。仮にどうしても喫煙が必要な場合は、喫煙室ではなく病棟の外に“喫煙専用棟”を建設するなど、喫煙環境を完全に分けるべきだとした。
●医療者は、たばこ対策の“伝道者”
ベッチャー氏は日本の医療者へのメッセージとして「医師や看護師などは、たばこ対策に関して患者やその他の職種を導く“伝道者”であるべきだ」と強調。「受動喫煙防止に関する法整備では、日本は前世紀に取り残されている。医療者は今回の法案成立を強く支持していくべきだ」と述べ、医療者とその関係団体が主体的にたばこ対策に取り組み、法案成立に協力すべきだとの見解を示した。(平成29年4月)-日医インターネットニュースから
罰則付きの受動喫煙防止法や条例の制定を求めていく
罰則付きの受動喫煙防止法や条例の制定を求めていく
日本医師会副会長の今村聡氏は、3月26日の第139回日医臨時代議員会で、受動喫煙対策について、「2020年の東京オリンピック、パラリンピックに向けて、屋内完全禁煙を定める罰則付きの受動喫煙防止法や条例の制定を求めていく」と述べ、国民の健康を守るためにも、受動喫煙対策強化に向けた取り組みを邁進していく必要性を強調した。この問題については、対策強化を求める声が各医師会から多数挙がった。
今村副会長は、低所得者で喫煙率が高く、「所得格差」が「健康格差」になっている現状を問題視。さらに例えば、飲食店では、利用者にとっての問題にとどまらず、そこで働く従業員には若いアルバイトが少なくないことから、「働く人」の健康を守る視点からの受動喫煙対策が重要とし、日医だけでなく、都道府県医師会レベルでの活動が求められるとした。
ただし、一方で、受動喫煙対策強化には難しさもあるとした。今村副会長は、「たばこ税収が年間2兆円を超え、国や地方にとって大きな財源になっている。財政収入の安定的確保を目的としているたばこ事業法は根本から改めなければいけないが、たばこ税に代わる安定的な財源確保が当然必要になってくる。現在、巨額な債務残高を抱える我が国にとって決して容易なことではない」と説明。
日本禁煙学会がインターネット上で実施している、受動喫煙防止に関する署名では、「反対が約60万件で、賛成が1万という状況。国民的な支援がない限り、なかなか簡単には行かない」と今村副会長は述べ、関係機関、関係団体が連携し、啓発活動などを継続して行うことが重要であり、その中で医師会が果たす役割は大きいとした。聡氏
受動喫煙対策について質問したのは、東京都代議員の蓮沼剛氏。都医師会では従来から受動喫煙対策に力を入れており、「タバコ対策委員会」を設置し、歯科医師会、薬剤師会、看護協会などの団体も巻き込み、対策に取り組んでいる。蓮沼氏は、「たばこ事業法」に代わり、「たばこ規制法」の制定が必要とし、日医の考えを質した。
今村副会長は、「たばこ規制法」の制定は、「目指すべきゴール」と支持。受動喫煙対策は重要であるとしたものの、健康増進法の改正案について、「多くの国会議員から法案に対する反対意見、あるいは慎重論が出たために、当初の厚生労働案からかけ離れた内容が示されたことについては、国民の健康増進という視点からは容認されるべきものではない」と語気を強めた。
その上で、受動喫煙により影響を受ける国民全体で問題意識を共有してもらうため、日医としては、国民向けの啓発資料として、『禁煙は愛』という冊子を作成するなど、さまざまな啓発活動に取り組んでいることを紹介。
今村副会長は、2016年12月、厚労省の「保険者による健診・保健指導等に関する検討会」の資料にも言及。「40歳代男性の喫煙率は40%台と非常に高い結果だった。さらに保険者ごとに違いがあり、所得の低い被保険者が多い協会けんぽにおいては喫煙率が高く、所得格差が健康格差につながる原因になっていると示唆された」。また、健康日本21(第二次)では、たばこが原因とされるCOPDの認知度を向上させることが盛り込まれていることを踏まえ、「都道府県の健康増進計画に位置付けることになっているが、10カ所の県でいまだ位置付けがなされていない。この点については確認し、ぜひ医師会から行政に働きかけをしてもらいたい」と求めた。(平成29年3月)-第139回日医臨時代議員会から
例外のない受動喫煙防止対策の強化を求める―今村副会長
今村聡副会長は3月22日、記者会見を行い、政府が検討している受動喫煙対策を強化する法案に対する日医の考えを改めて説明した。
同副会長は、まず、たばこの害について、(1)喫煙は肺がんに限らず、脳卒中、心筋梗塞や慢性閉塞性肺疾患など、多くの疾患の要因にもなり、その年間死亡者数は13万人にのぼると言われていること (2)受動喫煙が原因の死亡者は1万5000人いると言われており、たばこは、全ての年齢に影響を及ぼす、まさにサイレントキラーと言えること-などを説明。「室内における喫煙は、単なるマナーや嗜好の問題ではなく、国民の健康被害の問題として捉え、抜本的に受動喫煙対策の強化に取り組む姿勢を示す必要がある」との考えを示した。
また、多数の国会議員から法案に対する反対意見や慎重論が出たため、当初の厚労省案から、大きく後退した内容が示されたことについては、「国民の健康増進という視点からは、決して容認することはできない」と述べた。
その上で、同副会長は、例外を設けることなく、受動喫煙防止対策を進めていくためには受動喫煙により被害を受ける国民全体で問題意識を共有し、一丸となって取り組む必要があるとの考えの下に、今回、日医で小冊子『あなたのためそばにいるひとのため 禁煙は愛』を制作したことを報告。
小冊子の中では、「日本の受動喫煙対策は世界最低レベルにあること」「たばこはがんだけではなく、さまざまな病気の原因になること」「喫煙者の吸い込む煙と同じくらい、その周囲の人の吸い込む煙は有害であること」などが紹介されているとするとともに、「今後も『国民の健康を守る専門家集団』として、今回制作した冊子等を活用しながら、国民にたばこの害を訴え続け、受動喫煙対策を強化する法案の実現を求めていきたい」と述べた。なお、本小冊子は、今後各種国民向けのイベント等で配布する他、日医のホームページにも同様の内容を掲載するとともに、印刷して活用してもらえるように、PDFファイルも掲載する予定となっている。(平成29年3月)-
日医白クマ通信から
受動喫煙防止「緩和ケア病棟を例外にしないで」「感情論排すべき」日本禁煙学会が要望
受動喫煙対策の強化をめぐり、ガン患者などの緩和ケア病棟を持つ病院でつくる団体が、緩和ケア病棟での喫煙を例外とするよう求めていることについて、日本禁煙学会(作田学理事長)は3月2日、「緩和ケア病棟は、例外とすべきでない」とする要望書を厚生労働省などに提出した。厚生労働省は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、他人のタバコの煙を吸い込む「受動喫煙」を防ぐため、今国会で法律改正案の提出を予定している。医療機関の敷地内が全面禁煙となる方針であることから、日本ホスピス緩和ケア協会が、「残り時間の少ない人を追い詰めるのはいかがなものか」と全面禁煙の対象から除外するよう求めていた。
日本禁煙学会は、厚生労働省と日本ホスピス緩和ケア協会に向けて「喫煙はメンタルヘルスの悪化のリスクファクターです」「緩和ケアを受けている非喫煙患者さんの平穏のため、タバコの煙から完全に解放された療養環境を提供すべき」「緩和ケアを受けるすべての患者さんのQOLを高めため、緩和ケア病棟を敷地内禁煙とするよう、お願いいたします」と要望している。
日本禁煙学会はこの日、東京・霞が関の厚労省記者クラブで記者会見を開いた。作田理事長は「緩和ケア病棟やホスピスにも、いろいろな悪影響があるので、感情的な意見は排するべき。医学的・科学的な観点から、こたえていくべきだ」と強調した。同会の宮崎恭一理事も「かわいそうだから吸わせたいというのは、現場に即さない意見だ」と述べていた。
・「受動喫煙にさらされた頻度がもっとも高い」飲食店が62%
この日の会見では、日本禁煙学会の川俣幹雄評議員(九州看護福祉大学教授)らの共同研究グループが受動喫煙の実態について調べたアンケート調査の結果(速報版)も発表された。調査はインターネット上で2月15日から20日にかけて実施。対象者数は1万51人。
受動喫煙にさらされた頻度が最も高い場所は飲食店が62.1%で、これまでの調査報告よりも高い数値になっているという。また、場所を問わず受動喫煙にさらされた人は73.5%で、残留タバコ煙成分を吸い込むサードハンド・スモークにさらされた人も72.7%いることがわかったという。日本禁煙学会は、小規模バーなどの一部の飲食店についても、例外とすべきでないと主張している。(平成29年3月)-Yahooニュースから
たばこの煙「不快」8割 受動喫煙最多は飲食店
屋内全面禁煙へ要望書 がん患者団体など150団体
屋内全面禁煙へ要望書 がん患者団体など150団体
第5回(2016年)日医会員喫煙意識調査報告まとまる―今村聡副会長
今村聡副会長は、2月15日の定例記者会見で、日本医師会委託調査研究「第5回(2016年)日本医師会員喫煙意識調査報告」がまとまったことを紹介し、調査結果を概説した。本調査は、日医の禁煙推進活動の一環として、過去に2000年、2004年、2008年、2012年と4年ごとに行われてきたもので、今回で5度目となる。今回の調査では、2015年12月時点の日医会員から、男性6,000名、女性1,500名の計7,500名を無作為抽出し、5,678名の有効回答(反応率78.7%)を得た。
喫煙率は、男性10.9%(2012年12.5%、2008年15.0%、2004年21.5%、2000年27.1%)、女性2.4%(2012年2.9%、2008年4.6%、2004年5.4%、2000年6.8%)であり、2000年の調査開始以降、回数を追うごとに男女共に有意に低下したことが示されている。
今村副会長は、(1)男性は全ての診療科で喫煙率が有意に低下、(2)女性は、サンプル数の多い内科と小児科、皮膚科で喫煙率が有意に低下、(3)男女ともに「医師は喫煙すべきでない」と考える人が増加、(4)一般国民に比べて医師の方が著しく喫煙率が減少―しているなどの状況が認められたとし、「日医会員の喫煙率は男女ともに減少している」と評価した。
一方、医師の喫煙に関する要因については、就労状況や休日取得・労働時間などによる喫煙率の有意な差は見られなかったものの、飲酒頻度が多い、運動習慣がない、ストレスが大きい、幸福度が低いなど、生活習慣やメンタルヘルスとの関連が見られたことを説明した。
同副会長は、1999年にWHO(世界保健機関)が医師は喫煙すべきでないと提唱して以来、日医としても、「禁煙日医宣言」(2003年)、「禁煙に関する声明文」(2008年)、「受動喫煙ゼロ宣言」(2012年)などに取り組んできたとし、「この調査結果を踏まえ、国民の健康を守る団体として、引き続き会員だけでなく、国民に対しても、喫煙防止啓発活動を進めていきたい」と述べた。(平成29年2月)-日医白クマ通信から
2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、政府が検討している受動喫煙対策を強化する法案の概要が7日、わかった。焦点の飲食店は原則建物内禁煙とするが、延べ床面積が約30平方メートル以下の小規模店で、主に酒を提供するバーなどは例外とする。近く自民党などに示すが、例外範囲をめぐって調整が難航する可能性がある。
飲食店はすべて原則禁煙とした当初の「たたき台」から後退している。海外の主要国と比べると規制が緩く、国内外で批判を受ける恐れがある。
国内の受動喫煙による死者は年間1万5千人と推計される。政府は今国会に提出する健康増進法改正案で、これまで努力義務だった受動喫煙対策について、違反を繰り返す管理者や利用者に罰則として「過料」を科す規定を設ける。
政府案では、飲食店は原則建物内禁煙で、煙が漏れず、飲食ができない「喫煙専用室」の設置は認める。ただし、延べ床面積約30平方メートル以下の小規模店で、主に酒を提供するキャバレーやバーなどは、店頭に注意を喚起する表示や換気などを前提に、喫煙を認める。ラーメン屋やレストラン、すし屋などは未成年の利用が想定されるため、小規模店でも原則禁煙とする。
居酒屋や焼き鳥屋、おでん屋などは除外するかどうか2案を検討中。外国人観光客や子連れの利用客が増えており、たばこの煙に苦情が出ているという。
また、事務所(職場)は原則建物内禁煙だが、一定規模以下は罰則などの適用を一定期間猶予する。(平成29年2月)-朝日新聞から
名古屋でコンビニ経営者相手どり住民が訴訟 撤去へ
昨年5月、たばこの煙にさらされ「受動喫煙させられない権利」を侵害されたとして、名古屋市昭和区の主婦、水島早苗さん(57)が同区にあるコンビニの経営者を相手取り、灰皿の撤去と慰謝料を求めて名古屋地裁に提訴した。
水島さんは「子供も受動喫煙の被害にあっており、大人の一人として見過ごせない」と訴える。
訴状などによると、この店舗はたばこの火を消すために灰皿を設置し、「ここでの喫煙はご遠慮ください」と張り紙をしたが、喫煙者が後を絶たなかったという。灰皿は店舗改装で撤去された。
灰皿撤去の動き加速 店内に喫煙室設けるコンビニも
日本たばこ産業(JT)の全国たばこ喫煙者率調査によると、昨年の喫煙者率は19.3%。特に男性は昭和40(1965)年に82.3%だったが平成15(2003)年に半数以下となり、昨年(2016)は29.7%と3割を切った。
こうした状況を受け、コンビニ各社も対応を急ぐ。セブン-イレブン・ジャパンは灰皿撤去の方針を打ち出し、ファミリーマートは路上喫煙禁止条例のある地域は店頭の灰皿を原則撤去、都市部の一部では店内に喫煙室を設置した。ローソンも同様の取り組みをしている。 コンビニ業界などが加盟する日本フランチャイズチェーン協会は「喫煙者が減る中で、店頭の灰皿を撤去する動きはますます広がるだろう」と指摘する。(平成29年2月)-産経新聞から
喫煙の経済損失116兆円
喫煙の経済損失116兆円 WHO、途上国に対策促す
29年 | 27年 28年 |
26年 25年 |
24年 |
23年 22年 |
21年後半 21年前半 |
20年後半 20年前半 |
19年後半 19年前半 |
18年後半 18年前半 |
17年後半 17年前半 |
16年後半 16年前半 |
|
15年 14年 |
13年 12年 |
11年 10年 |
9年後半 9年前半まで |
7年後半まで |